4月26日のDeNA対ヤクルト戦。2─5で敗れたヤクルトは、今季最多の10安打で走者は出したが、つながりを欠き、わずか2得点の10残塁。今季2度目の4連敗で、勝率は5割に逆戻りとなった。
とりわけ村上宗隆の不調は深刻だ。この日は第2打席で一ゴロの間に三塁走者がホームに生還し、6試合ぶりの打点をマークしたが、4打数無安打3三振。今季33三振は12球団ワーストだ。打率も1割5分7厘と、とても主砲とは思えない惨状なのである。
村上の低迷の原因について、野球解説者の鳥谷敬氏は4月27日放送の「す・またん!」(読売テレビ)で、同じWBC組だったエンゼルス大谷翔平の影響があると指摘した。番組MCからWBCの疲れがあるのかと尋ねられた鳥谷氏は、
「疲れはあまりないと思うんですけど、WBCでは大谷選手を見ている。打者としてはタイミングをなるべく取らないという形で、より小さい力で飛ばすという。村上選手もタイミングの取り方とか、いろんなことを多分、いじったと思う」
加えて現在の心理状況について、こう語ったのだ。
「(大谷は)これぐらいの力でこんなに飛ばすんだ。自分はもっと打てるはずだ、と思ってますよね」
鳥谷氏は、今後は少しずつ感覚が戻る中で、調子は上向いてくると予測。村上はWBC中のスポーツ紙独占手記で、次々にスタンドに放り込む大谷のフリー打撃を「怒り」「悔しさ」という言葉を使って、その差の実感を明かしていた。大谷の影響を大きく受けていることは間違いないのである。
(鈴木十朗)