8月20日、111歳の百井盛(ももい・さかり)さんが最高齢の男性としてギネス世界記録に認定された。また、女性の世界最高齢者は116歳の大川ミサヲさん。
男女とも最長寿は日本人となった。
2012年厚生労働省調べによると、日本人の平均寿命は男性が79.94歳で世界第5位、女性が86.41歳で世界1位に返り咲いた。
そんな長寿国日本のなかで、職業別の寿命では僧侶が1位だという。なぜなのか? 芥川賞作家で僧侶の玄侑宗久氏は近著『「いのち」のままに 心の自由をとりもどす禅的瞑想法』で、
「長生き=長息、かもしれませんね」
と語る。玄侑氏は日常で座禅を組むのだが、その理想とされる呼吸数は1分間に2回。まさにゆっくり吸って長く吐くのだ。もちろん、最初は12回から徐々に呼吸数を減らしていくのだが、何かコツはないのだろうか? 同氏は著書でこう解説している。
「読経こそ優れた呼吸法である」
お経を読んでいる間は、長く息を吐いていて、それが良いのだという。健康やダイエットにヨガなどの呼吸法が取り入れられているが、簡単にできる呼吸法──長く息を吐く訓練法として最適なのは、読経だという。そして、読むお経としておすすすめなのが『般若心経』の262文字。この量こそが、ちょうど2回の呼吸で読みきれる長さだ。慣れてくると暗記できる長さであることも重要だ。
著書中には総ルビ付きの『般若心経』が載っているので、気軽に始められそうである。