「虎の村神様」こと、阪神の村上頌樹投手が、またまたやってくれた。
4月29日の対ヤクルト戦で今季3戦目の先発マウンドに立った村上は、ヤクルト打線を8回2安打無失点、7奪三振に抑え込む快投。「元祖村神様」の4番・村上宗隆も3打数無安打1三振に斬って捨てる「神がかり投球」で、今季の初先発登板から続けている連続無失点記録も「25イニング」にまで伸ばした。
しかもこの日、村上は6回で規定投球回数に到達し、防御率0.00でリーグトップに躍り出たのだ。当然ながら今後、点を取られれば防御率は下がっていくが、登板後の時点では広島の九里亜蓮の0.68を大きく上回っている。
ちなみに阪神に限って言えば、球団としての連続イニング無失点記録は、藤川球児の47回3分の2で、開幕からの球団記録は、中井悦雄の31回。村上がこれらの球団記録にどこまで迫ることができるのか、俄然、注目されるのだ。
振り返ってみれば、コトの始まりは4月12日の巨人戦だった。プロ入り初勝利を目指して先発マウンドに立った村上は、巨人打線を7回までパーフェクトに封じる電撃投球を展開。続く4月22日の中日戦でも2安打無四死球10奪三振と、快刀乱麻の完封劇を演じてみせたのだ。
そして連続無失点記録を25イニングにまで伸ばした、今回の神がかり投球である。全国紙プロ野球担当記者も、次のように舌を巻く。
「セ・リーグの他球団からは今、『当面、村上を打ち崩すことはできないだろう』との諦めの声が上がっています。球のスピードとキレが抜群であることに加え、打者を翻弄するクセ球があって、投球テンポもいい。今の村上は、更新中の連続イニング無失点記録も含め、並ぶ者なき『無双状態』にあると言っても過言ではありません」
今季初戦でお預けとなった「完全試合」への期待は膨らむばかりである。