4月29日に行われたヤクルト戦に、7-0と快勝した阪神。これで3試合連続完封勝利と、勢いが止まらない。
先発したのは、初先発となる4月7日の巨人戦で7回パーフェクトピッチングで話題となった、3年目の村上頌樹だ。続く4月22日の中日戦でプロ初勝利を完封で飾った「虎の村神様」は、この日も無失点投球を継続。8回を投げて被安打2、四球1で2勝目。リリーフした加治屋蓮も1回を零封し、これで4月27日の巨人戦から、3試合連続完封勝利である。
打っては佐藤輝明が今季初の1試合2本塁打で4打点を挙げ、勝利に貢献。村上が佐藤の援護弾に「同級生で同期。あそこのホームランは嬉しかった」とコメントすれば、佐藤も村上の快投に「心強いです」。スポーツ紙デスクが言う。
「9回にタイムリーを放った中野拓夢を含め、3人は2020年ドラフト組の同期。ドラ1の佐藤と6位の中野は、プロ1年目の2021年からレギュラーに定着しました。中野はルーキーながら盗塁王にも輝きましたが、阪神の20年ドラフト組の活躍はこれだけではありません。ドラ2の伊藤将司も1年目から先発ローテに入り、今季初登板となった4月27日の巨人戦で完封勝利。これで巨人戦は昨年から4戦4勝と、巨人キラーぶりを見せつけました」
ドラ8の石井大智は、中継ぎとして1年目から1軍の戦力に。湯浅京己と浜地真澄が不在の間、大事な場面を任されることが多く、ここまで10試合で5ホールドと活躍している。
村上は1年目に1軍登板を果たしたものの、結果を残せなかった。20年ドラフト組では遅咲きの部類だが、今年の阪神はプロ3年目の彼らが、チームの勝敗を握る存在と言えよう。
2020年ドラフト当時の阪神は、矢野燿大政権。矢野前監督は、ドラフト初経験となった2018年に近本光司、小幡竜平、木浪聖也、湯浅京己を獲得。彼らは現在、1軍の主力としてチームを支えている。
翌19年ドラフトでは西純矢、井上広大、及川雅貴ら高校生を上位指名。彼らも現在1軍の大きな戦力に育っているのだ。
「昨シーズンは開幕9連敗を喫するなど、采配がなにかと批判されることが多かったわけですが、ドラフト戦略では大きな成果を上げていると言えます。もちろんスカウト陣の眼力あってこそですが」(前出・スポーツ紙デスク)
岡田彰布監督を迎えてスタートした2023年は、18年ぶりのアレに向けて、戦力の底上げが整ったようである。
(石見剣)