プロ野球は5月30日、「日本生命セ・パ交流戦」が各地で開幕。セ・リーグ首位の阪神タイガースは、ベルーナドームで行われた西武ライオンズ戦に3-1で快勝した。2007年以来、16年ぶりの9連勝で貯金18とした。
この日は「虎の村神様」こと村上頌樹が先発。3、4月度の月間MVPを獲得し、ここまで4勝1敗と絶好調の村上だったが、ベルーナドームには苦い思い出がある。
ちょうど2年前の21年5月30日、ネーミングが変更される前のここメットライフドームでプロ初登板初先発した村上は、2回1/3を投げて被安打3、3四球1本塁打で5失点KOを食らい、プロの洗礼を浴びたのだ。
だが、あの日の村上と今の村上は、全く違う。味方打線が1回表、近本光司と中野拓夢の連続3塁打で先制、ノイジーの内野ゴロで2点目を取ると、村上は1、2回を3人ずつで片付ける絶好のスタートを切る。3回に1点を奪われるも、4回以降は三振の山を築く危なげない投球で、8回まで自己最多の112球を投げて被安打4、9奪三振、無四球1失点で5勝目をもぎ取った。
9回は守護神・湯浅京己が3人でピシャリ。昨年から続く連続イニング無失点は、38イニングまで延びた。スポーツ紙デスクが解説する。
「交流戦突入時点で8連勝と絶好調の阪神でしたが、相手がパ・リーグに変わっても関係なかったですね。先制し、1点を返されても、5回にはノイジーのタイムリーで中押し。ダメ押しこそありませんでしたが、今の村上とブルペン陣には、2点差あれば問題ない。最後までハラハラするような場面もなく、まさに横綱相撲で西武を下しました。チーム初の交流戦優勝も見えてきたのでは」
阪神はこれで、5月は月間19勝目。チームタイ記録に55年ぶりに並んだ。岡田彰布監督もこの連勝街道に「そら、なかなかないやろ」とご満悦。
6月4日のロッテ戦(甲子園)では佐々木朗希が先発として立ちはだかるが、全野球ファン注目の対決となりそうだ。
(石見剣)