コロナ禍以降、4年ぶりに取材規制が大幅に緩和されたプロ野球。まだ完全に元に戻っていないとはいえ、神宮名物の「アレ」に、メディアは早くも面食らっている。
コロナ禍前は試合前の練習中、担当チームのベンチ前にメディアの担当者が並んで、様子をくまなく確認するのが当たり前だった。
「メディアの数もロッテ、オリックスなんかは総勢10人程度、最も多い阪神は50人ほどが毎試合、ベンチ前に陣取っていました。ところがコロナで、グラウンド内は全面立ち入り禁止に。現在も西武を除いた11球団が、メディアをグラウンド内に入れるのを拒んでいます」(スポーツ紙デスク)
試合後はベンチ裏に回って監督、選手の話を聞く仕事に専念するが、神宮球場だけは異なる。
「選手ロッカーがあるクラブハウスが一塁、三塁、それぞれ外野の奥にあるため、徒歩での移動が必要。そのため、グラウンド内で選手と一緒に『ブラ下がる』のです。昨年までは禁止されたのですが、復活しました」
だがコロナ禍以降に入社した記者らにとっては、意外な負担が発生していた。
「ファンが目の前で騒ぐ中で、とにかく選手の声が聞こえない。そればかりか、CS放送のテレビ中継でブラ下がる姿を見た友人知人が『今日の服、ダサッ!』など、いちいちDMでツッコミを入れてくるんです。別に芸能人やアナウンサーじゃないんだから、勘弁してほしいですよ」(スポーツメディア関係者)
政府は5月8日から、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、2類相当から5類に引き下げる。プロ野球でも「日常」が戻るのはすぐそこまで来ている。