各局がしのぎを削る夕方の情報番組で、視聴率トップの座にいるのが、日本テレビの「news every.」だ。藤井貴彦アナをメインキャスターに、アシスタントを陣内貴美子が担当する。男性アナの人気投票で藤井アナは常に上位にランクされているが、それは安定したアナウンスや清潔なイメージがウケているからだろう。
15時50分から19時までの長い番組でメインとなるのが、18時台である。18時15分までは全国ネットのニュースで、その後に全国の系列局の独自ニュースとなる。関東では「every.特集」が放送されるが、他局もこのコーナーに力を入れていることがわかる。
「視聴者に問題提起するコーナーを作ったり、医療問題も取り上げたりもしましたが、どうも日本テレビには敵わない。日テレは成田空港の秘密や、新幹線清掃員密着みたいなものを取り上げることがありましたが、最近はグルメにどっぷりハマッていますね」(キー局情報番組デスク)
日テレの特集は、グルメネタでいくという戦略に特化したものだ。
「どこも紹介したことがなく、知られていないお店という条件がかつてはありましたが、他局が放送したお店は3年ほど経っていれば放送OKというように、ハードルは低くなりました。難しいテーマを追ったり、視聴者を啓蒙しようとする考え方を捨てて、グルメでいこうと。大事なのは、その店の人間関係にも踏み込んで視聴者を引き付ける、という手法。特集コーナー15分で2店舗が基本ですが、家族経営のお店で家族の繋がりが面白い場合は、1店舗だけを掘り下げた放送になることもあります」(日本テレビ制作ディレクター)
高価な料理を紹介する放送よりも、家族経営の町中華やレストランなど、地道に頑張ってきた店の歴史を見る方が、味わい深い番組になる。そこに目を付けてグルメを深掘りする日テレの決断が、奏功しているということなのだろう。