ついに「記録更新」が現実のものとなってきた。
千葉ロッテの佐々木朗希が、京セラドーム大阪で行われた4月28日のオリックス戦で、球速165キロを計測したのだ。日本ハム時代の大谷翔平(現エンゼルス)が2016年にマークしたNPB日本人最速タイに並ぶものだが、2021年8月にビエイラ(巨人)が出した166キロのNPB最速記録を更新するのは、時間の問題となってきた。
そんな中、佐々木の「ある変化」がプロ野球関係者の間で話題になっている。佐々木は朴訥としたしゃべり口で、言葉を選びポツリポツリと答えるタイプだった。それが今年からは、マスコミ対応が一変。比較的、饒舌に話すことが多くなったのである。いったいどうしたというのか。スポーツ紙遊軍記者が明かす。
「3月に行われたWBC期間中に、大谷やダルビッシュ有、吉田正尚らそうそうたるメンバーがキチンとメディア対応している姿を間近で見て、感じるものがあったようです。『自分のことは自分の口で語った方がいい』『一流選手なんだから、対応も一流にならないと』『マスコミを味方にするのも大事』といった助言を、侍ジャパン関係者からもらったことも関係しています。明らかに取材対応に変化が表れましたから。そういった精神面でも、WBCでひと皮むけた印象です」
囲み会見では報道陣と掛け合ったり、時にはジョークを飛ばしたりしながら、笑顔を見せる機会が増えた。プロ入り4年目にしてようやく、担当記者とも打ち解けてきたのである。スポーツ紙デスクは、
「もともと人見知りだった上に、高校時代からメディアに追っかけ回され、マスコミ嫌いになっていました。ロッテ入団後はそういった事情を考慮して、球団広報が過剰なほどの『ガード』を徹底させ、マスコミ対応の機会を減らしていた。常にピリピリした雰囲気をまとっていましたが、それが今は消えてしまった。この激変ぶりに、周囲は驚いていますよ」
165キロをマークした「令和の怪物」は、人間としても急速な成長を見せている。