東京・歌舞伎町の「メンズ・コンセプトカフェ」を検索すると、複数の店がヒットする。しかし、実際に訪れてみると、営業しているのかどうか分からないような、扉を閉めている店も多い。20歳のメンズ・コンカフェ利用者の女性は、次のように語った。
「ここ最近のメンズ・コンカフェの摘発を受けて店舗を変えたり、閉める店が増えているようなんです。私達の間でも『SNSで気に入ったキャストがいたら、摘発される前に行っておいた方がいいよ』と。私としても『推し』が逮捕されるのは嫌だから、未成年が立ち寄りそうな店には行きたくないですね。SNSにはたくさんのメンズ・コンカフェのキャストが出てきますが、無料案内所で紹介されている店以外は、なるべく行かないようにしています」
そういえば4月30日には、16歳の女子高校生と知りながら深夜に入店させたとして、歌舞伎町のメンズ・コンカフェが風営法違反の疑いで摘発された。逮捕されたのは店長の大石涼太容疑者と、従業員の坂口怜也容疑者だった。
坂口容疑者は今年1月、SNSで知り合った16歳の女子高校生を未成年と知りながら、午後10時以降に入店させた疑いが持たれている。1本40万円に設定されたシャンパンなどを飲ませて「支払わなければ実家に行く」などと脅し、女子高校生は25万円ほどを支払ったという。
新宿区では客引き禁止条例でホストクラブやコンカフェのキャッチが禁止されており、客を呼ぶのはSNSで捕まえるのが主流となっている。メンズ・コンカフェは飲食店許可または飲食店営業許可及び、深夜酒類提供飲食店営業の届出で営業できる。だが、未成年者への酒の提供、午後10時以降の未成年の入店は当然ながら、法律違反だ。
「中には成人していると偽って入店する未成年者も多い」
と先の女性は話すが、年齢確認を行わない店側に非があるのは間違いない。
メンズ・コンカフェやメンズ地下アイドルなどの、いわゆる「推し活」にのめり込む未成年者の問題は深刻化している。警視庁は未成年がパパ活や援助交際による犯罪に巻き込まれないよう注意を呼びかけているが、今後も似たような事件は増えるのではないか。