「バミューダ・トライアングル」とは、フロリダ半島の先端とプエルトリコ、バミューダ諸島を結ぶ「魔の三角地帯」と呼ばれる海域のことだ。このエリアではかねてから、航空機や船などの消失事件が相次ぎ、さらには不可解な物体の目撃情報も数多く報告されている。
このバミューダ・トライアングルがなんと、ユーラシア大陸に「飛び火」した。
今年3月、ロシアとの激戦が続くウクライナの東部ドネツク州バフムートで、ロシア軍の戦闘機が次々に失踪するという事案が発生。「バミューダ・トライアングル」ならぬ「バフムート・トライアングル」として、現地メディアでも大きな話題になっていると、英誌「デイリー・スターが」報じたのだ。
「コトの起こりは、ウクライナ国防相が、ウクライナ軍によりロシアの超音速爆撃機Su-24を撃墜した、とSNSに投稿したことでした」
こう話すのは、ウクライナ戦争の内情を調査する国際軍事アナリストである。
「その後、撃墜時の動画がテレグラムチャンネルにアップされたのですが、そこには爆撃されて炎に包まれた機内からパイロットが脱出する様子が映し出されていました。実はバフムート地域では、これまで400機近くのロシア機が撃墜されていることから、ウクライナ国防省はこの動画に『ウクライナで最も謎めいた場所は、バフムート・トライアングルだ。1年前からロシアの飛行機が姿を消している…』とのコメントを添えました。すると『異次元空間とつながる魔のエリアでは』との声が続出。ミステリー地帯として俄然、注目を浴びることになったのです」
バフムートは現在、両軍による戦闘が最も激化している地域だ。4月25日に行われたウクライナ軍東部方面部隊、チェレバティ報道官の発表によれば、同エリアではわずか1日の間にロシア軍から23回もの攻撃を受け、各種火砲を280回発射。空襲も4回あり、85回の攻撃と20回の銃撃戦が繰り広げられて175人が戦死、213人が負傷したという。
「ウクライナ側が戦闘で大きなダメージを受ける中、ロシア側も多くの戦闘機が撃破されるなどして、姿を消しているようです。そしてその背景には、この『バフムート・トライアングル』で起こる超常現象も関連しているのだと」(前出・国際軍事アナリスト)
ウクライナ国防省のコメントがあるだけに、信憑性は増しているのだ。
(ジョン・ドゥ)