東京の歓楽街でも錦糸町が異彩を放つのは、外国人パブの豊富さだろう。パツキン美女に目がないマニアが集う街なのだ。そんな都内随一の「国際交流都市」では現在、ウクライナ旋風が巻き起こっているという。
90年代から錦糸町では外国人パブが増殖し始めた。ホステスとして働くのは旧ソ連を中心とした東欧諸国の美女たち。その最大派閥は、国家規模に比例しているようで、今もってロシア嬢が多数を占めている。錦糸町の外国人パブ店員が最新情勢を教えてくれた。
「ウチでは4月、5月とロシア嬢を抑えて、ナンバー1はウクライナ嬢だね」
ロシア軍の侵攻開始から3カ月、当初は非力とされたウクライナ軍が善戦。ここ錦糸町でも同様の光景が見られるというのだ。それも欧米の軍事支援以上のバックアップがあるため。
「もともと外国人パブに通う男は、単にブロンド好きというだけでなく、慣れない異国で頑張る女性を『俺が支えなきゃ』という心理が働いているわけ。戦争で苦しむ姿を見たら、なおさら客はウクライナ嬢に流れちゃう」(前出・店員)
現に、週イチで錦糸町に通う経営者は「打倒プーチン」とばかりに、ウクライナ嬢に熱を上げている。
「偶然、席に着いたウクライナ嬢が『4月に親類が日本にやっと避難できた』と言うから、ついホロッときてね。入管への送り迎えを買って出ちゃった。以来、必ず彼女を指名して、先日は避難してきた彼女の母親と姉妹、それに従姉妹と一緒に寿司屋に行って御馳走したら、彼女が喜んでさ」
思わぬ形で舞い込んだ店外デートに、すっかり鼻の下を伸ばし‥‥いや、紳士然と避難民に救いの手を差し伸べたというのだ。そんな経営者だが、他にも支援したい先があるという。
「ウクライナ人ママの店なんだよ。噂で侵攻後にプーチン支持のロシア嬢数人を辞めさせたと聞いて、ちょっと行ってみたんだけど、毎月のように新人が入店していて驚いた。みんなウクライナ嬢で、その新人に身の上話を聞いたら、避難民だっていうじゃない。しかも、全員20代でピチピチしていてタマんないんよ」
ビザ取得の厳格化が進んだ00年代以来、新たに外国人ホステスが来日することは皆無に近い。現在、働く外国人ホステスは日本定住の資格を得た女性で、新人が入らないのだから年齢層も高くなってくる。ゆえに錦糸町で若さは武器になる。しかも同情を禁じえない避難民、男たちは義勇兵よろしく突撃してしまう寸法だ。
おかげでウクライナ人ママの店は大繁盛。だが、思わぬ形で横ヤリが入った。
「5月27日、閣議後の会見で古川禎久法務大臣が『ウクライナ避難民が認められない業種で違法に働かされている』と発言。就労可能な避難民の特定活動ビザでも、ホステスに就職するのはアウトです。すでに熱い錦糸町の夜を察知した入管が5月下旬から見回りを始め、避難民ホステスに注意して回った結果、若いウクライナ嬢は店から姿を消しました」(地元関係者)
一時的な戦争特需だったのか。それでも、錦糸町を愛する猛者たちは新たなパツキン美女を探して、今夜もへべれけになっている。