京都の芝レース傾向をいち早く勝ち星につなげていたのがC・ルメール(43)とD・レーン(29)だった。
「ルメールは2日間で8鞍に騎乗して、芝は〈3 3 1 1〉。特に天皇賞・春のジャスティンパレスでは、3コーナーからの下りを利用して4番手に上がり、外から上がり最速を記録しての完勝でした。レーンは30日の1日だけですが、芝は5鞍に騎乗して〈3 0 1 1〉の好成績を収めています」(スポーツ紙記者)
京都芝で2勝を挙げた騎手を見ると、東西リーディング上位勢が並ぶ中、23位(4月30日終了時点)の団野大成(22)も名を連ねる。
「3月の高松宮記念でGI初優勝を飾り、4月のGIII福島牝馬Sも制するなど絶好調。所属先は有馬記念や宝塚記念などをクロノジェネシスで制覇した斉藤崇史厩舎。名馬の背中を知るのは強みですからね。4月末に行われた香港のクイーンエリザベスII世Cの際も、ジェラルディーナの追い切りのためだけに乗りに行くなど意欲的に行動している。今春から川田と同じエージェントになり、騎乗馬もレベルアップする。今後、大ブレイクしてもおかしくない」(専門紙記者)
川田が東京のGIに乗っている日は団野への乗り替わりに注目だが、リーディング上位が東京に集結となれば、現在8位の西村淳也(23)が鬼の居ぬ間に京都で固め打ちの鬼連チャンを決めても不思議はない。
「新装・京都では勝っていませんが、マイラーズCでは中団後方から直線でスムーズに先行馬の外へ出し、大激戦の中で2着しています。天皇賞・春で2着したディープボンドの和田竜二騎手(45)が『コーナーが緩やかになり、思った以上に速く感じた』と振り返ったほど、下り坂が勝敗のカギを握っている。西村騎手はそれにうまく対応するなど、レースセンスには長けています」(スポーツ紙記者)
西村はダート戦でも好騎乗を見せている。
「30日の2Rでは9番人気(単勝78.9倍)の馬で2着し、3連単78万円馬券を演出した。デビュー翌年の夏にフリーに転身し、フランスのホースマンたちとの交流を深めたり、凱旋門賞を現地観戦するなど、研究熱心な面もある」(専門紙記者)
もう1人、新装・京都で注目したいのが、ルーキーの田口貫太(19)だ。
「一般的に新人はローカルが主戦場になる中、所属先の大橋勇樹調教師が手厚いバックアップ体制を整えて京都で騎乗させています」(スポーツ紙記者)
22日の3R(芝1200メートル)では、好位から最内を突いて1着し、JRA通算3勝目をあげた。
「逃げ馬が左にもたれるとみるや、スッと最内に入って抜け出してきた。ルーキーらしからぬコース取りでしたが、地方交流競走で3勝しているように、小回りの対応が巧みですね」(スポーツ紙記者)
29日の4R(ダ1800メートル)でも、好位2番手で折り合いをつけて4角から逃げ馬を捕まえに行き、2馬身差の完勝だった。
「スタートセンスがいい。両親が笠松競馬場でジョッキーだったこともあり、競馬をよく知っているしね。1度目のJRA競馬学校の入試は落ちたけど、牧場に住み込みで働いて再チャレンジした苦労人。地道にステップアップしています」(専門紙記者)
東京GIシリーズの“裏開催”で、栗東所属の若手3人衆が大暴れしそうだ。