13年の上半期に放送され、20%を超える高視聴率を記録し大ヒットしたNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の再放送が、再ブームを巻き起こす好調ぶりを見せている。
三陸地方出身の少女が東京でアイドルを目指す物語に、お茶の間は熱中。劇中に登場した三陸鉄道北リアス線も人気に火がつき、乗車して聖地巡礼するファンは少なくなかった。
そんな三陸鉄道は、放送時と大きく姿を変えていた。鉄道ライターが解説する。
「ドラマ放送当時は久慈駅と宮古駅をつなぐ『北リアス線』と、釜石駅から盛駅までの『南リアス線』に分かれていました。釜石と宮古の間はJR山田線が走っていて、北リアス線と南リアス線は同じ会社の路線なのに、つながっていなかったんです。19年、山田線の釜石と宮古間が三陸鉄道へと移管され、久慈駅から盛駅まで1本でつながったことで『リアス線』と名前を変えました。路線の総延長は163キロ。これは第三セクターの鉄道としては、日本最長です」
久慈駅から盛駅までの直通列車もあり、乗車時間は約4時間半。なんとも乗り甲斐のある路線が誕生したのである。鉄道ライターが続ける。
「ユイ(橋本愛)が『アイドルになりたい』と叫んだ堀内駅(ドラマ内では袖ヶ浜駅)は、今もドラマそのままの雰囲気を残しています。主人公のアキ(能年玲奈)が東京へ旅立つ時、夏ばっぱ(宮本信子)が大漁旗を振っていたシーンが撮影された大沢橋梁では、列車がゆっくり走って景色を楽しませてくれる。ぜひ乗りに行ってほしいですね」
様変わりした三陸鉄道リアス線に乗りながら、「あまちゃん」に思いを馳せてみたい。