デビュー2年目の佐々木大輔騎手が絶好調だ。今年すでに18勝し、昨年の2倍の勝ち星を挙げている。同期のトップは20勝の角田大河だが、スマートフォンの不正使用により、6月11日まで騎乗停止中。その角田が戻って来た時には、佐々木の勝ち星が上回っているに違いない。
デビュー時から騎乗フォームが美しいと言われていた佐々木だが、今年は追う技術も向上した。5月7日の新潟・3歳未勝利戦で、2番人気馬に騎乗した永島まなみと直線ビッシリ競り合い、2馬身突き放してみせたのが、そのいい例だろう。競馬関係者がぜひ乗せたくなるのだ。
2年目の騎手で目を見張るもうひとりの騎手が、先週の新潟で1日3勝した西塚洸二である。昨年は10勝をマークし、同期では今村聖奈と角田に次ぐ成績を収めたが、素行不良により所属先の鹿戸雄一調教師に厳しく叱責され、一時干されてしまう。しかし、そのまま埋没させてしまうのは惜しいということで、現在は栗東の藤原英昭調教師が、一時預かりという形で鍛え直しているところだ。
その再生には辣腕エージェント・小原靖博氏も乗り出し、2月いっぱいで現役引退した福永祐一の後釜に据えるという。どのような経緯があったのかは分からないが、これには競馬関係者も驚きを隠せない。
ともあれ、名伯楽と有力エージェントがタッグを組んで再生を図るのだから、うまくいくだろうとみられている。その期待に応えるべく、西塚は真剣に競馬に取り組んでいるようだ。
「小原軍団」においては、今村が不調に喘ぐ上に、こちらもスマホ不正使用で騎乗停止中。そのため今後は西塚に比重がかかるかもしれない。いずれにせよ今後、勝ち星を着実に積み上げていくことは間違いないだろう。
(兜志郎/競馬ライター)