永島まなみ騎手が第1回福島(4月8日~23日)で7勝を挙げ、福島開催リーディングを獲得した。19年の第3回新潟開催でリーディングとなった藤田菜七子以来、JRA女性騎手としては史上2人目の開催リーディングとなった。現在14勝で、昨年の21勝を大きく上回るのは間違いないだろう。
彼女が今年、好成績を挙げているのは、馬質の向上によるものが大きい。14勝中9勝が1番人気馬。それで結果を出していることから、騎乗依頼がグングン増えている。
だが、物足りない面もある。減量の恩恵を受けない特別レースは、これまで32回騎乗して未勝利。ちなみに、今村聖奈は重賞を1勝、特別レースを2勝している。永島自身、それは気になっているようで、1日でも早く特別勝ちをしたいそうだ。
問題なのは、あと9勝すると見習い騎手の減量記号が★⇒▲と昇格し、斤量が4キロ減から3キロ減となる点。そうなれば、これまでのようなわけにはいくまい。今村の例を見れば、今年、思ったほど勝ち星を積み上げることができないのは、斤量が増えたせいもあろう。
とはいえ、さらにこれをクリアし、通算101勝して見習い騎手を卒業すること(3キロ減⇒2キロ減)が大事となる。専門紙トラックマンが語る。
「彼女は筋トレでかなり鍛えていることもあり、デビュー時よりも追えるようになっている。その点では今村よりも上でしょう。それに姉がバレットを担当しており、大きな力となっています。2人の息がピッタリ合っていることで、いいリズムが生まれている」
最近、競馬記者の間では「女性騎手は今村と永島の2強時代に入った」という声がよく聞かれる。騎乗数もこの2人が頭抜けて多い。
2人は今週から始まる第1回新潟競馬に参戦予定。東西の主力騎手は東京と京都を主戦場にするため、今村か永島のどちらかが開催リーディングになる公算大だ。おそらく最後まで、激しいつばぜり合いを繰り広げていくことだろう。
(兜志郎/競馬ライター)