ホンダが5月24日、26年からF1世界選手権に復帰すると発表した。ホンダは21年までレッドブル・レーシングとタッグを組んでいたが、次はアストンマーティン・アラムコ・コグニサント・フォーミュラ・ワン・チーム、つまりアストンマーティンにパワーユニットを供給する。
ホンダの復帰にF1ファンからは喜びの声が上がっているが、その一方で意気消沈している人もいるという。F1の開催を計画していた横浜の人たちだ。
「公開中の映画『ハマのドン』で描かれている藤木幸夫氏を中心に、F1を横浜で開催しようとする動きが19年に起きました。藤木氏はカジノ誘致の代わりに、F1開催を提案。山下ふ頭を中心にした市街地サーキットで行う計画で、コース図までできていました。推進派の人によると、あとは横浜市の許可が下りるのを待つだけ、という状態だったそうです」(地元関係者)
その後、横浜開催はトーンダウンしたが、白紙に戻ったわけではなかった。しかし、ホンダのF1復帰で、開催は絶望的になったという。モータージャーナリストが解説する。
「F1はレース数が増え、新たなグランプリをカレンダーに組み込む余裕は全くありません。しかも『グランプリは1つの国に1つ』という暗黙の了解があるので、鈴鹿サーキットが日本グランプリ開催から降りなければ、横浜で開催するのは難しいんです」
21年いっぱいでホンダがF1から撤退したため、鈴鹿サーキットが日本グランプリ開催を取りやめる可能性もあったのだが、
「一時はF1ファンの数が減り、鈴鹿での開催が危ぶまれたこともありましたが、最近は観客が増え、3年ぶりとなった去年の日本グランプリには3日間で20万人が来場しました。こうなっては、鈴鹿がグランプリ開催を断念することはないでしょう。横浜開催は遠のいたと言わざるをえません」(前出・モータージャーナリスト)
山下ふ頭を疾走するF1マシンを見たかったが、残念だ。