5月25日の「アメトーーク!」(テレビ朝日系)のテーマは「井森美幸大好き芸人」だった。
番組冒頭にMCの蛍原徹から説明があったが、本来この企画は3月2日放送分の予定。収録直前にリーダーの山里亮太(南海キャンディーズ)が体調不良により欠席となったために、持ち越しとなったものだ。
そんな経緯もあり、また私個人も「井森美幸大好き」なひとりなので、まさに「待ちに待った」という思いで見た。ところが、だ。視聴後の感想は正直、モヤモヤしている。
出演者は、ひな壇に山里をはじめ、ビビる大木、川島明(麒麟)、土田晃之、田中卓志(アンガールズ)、吉村崇(平成ノブシコブシ)、そして蛍原の隣に三村マサカズ(さまぁ~ず)と、当初予定していたのと同じ顔ぶれ。
ところが早々に、リーダーの山里が余計なひと言を発する。
「怖いのが、あれ(前回の「急遽企画延期!せっかく集まったから何か撮りましょうよ芸人」の収録)で、みんながお腹いっぱいになってそうなんですよ」
これに蛍原は「確かに」。ビビる大木も「ちょっとあるね」と答え、他の出演者らも頷く。吉村にいたっては「あの時にたぶん、僕も井森さんへの熱は出し切ってる感じはする」と言い出した。畳みかけるように土田が「我々、打ち合わせしたのは、井森さんについて(今年の)1月とかなんですよ」と言う始末で、既にみんな熱量が冷めていることを吐露したのだった。
そんなだからか、各々が井森美幸の面白エピソードを語るのだが、どうも白熱したクロストークにまで発展しない。トーンも今イチで、ドカンと盛り上がらないのだ。
業界で語られる井森の評価をまとめたボードをもとに、関連したトークを展開する流れだったのも、自発的に「愛を語る」という雰囲気に見えない要因だったように思う。つくづく「これが『仕切り直し』でなく、当初の予定通りに収録されていたらな」と思ってしまう。
こちらが勝手にハードルを上げていたのかもしれないが、以前に放送された「みちょぱスゴイぞ芸人」のような盛り上がりを期待していた身としては、肩透かしを食らった形だ。
井森は「大好き」、みちょぱは「スゴイぞ」と、切り口が違うと言えなくもないが、どちらもその魅力を語ることに違いはないはずだ。思うにこれは、対象を「女として見ているか否か」にもよるのではないだろうか。
そこで「みちょぱスゴイぞ芸人」を振り返ってみると…。
「今回は『スゴイぞ芸人』で統一していこうってことで、スタッフさんから言われたんですけど…僕はみちょぱが好きなんです」(ロッチ・中岡創一)
「僕はギャルが嫌いだから。ギャルじゃなかったらイッテます」(アンガールズ・田中)
しかし井森に関しては、
「ホントにお綺麗な方なのに、いやらしい香りが全くしないじゃないですか。俺の中でミッキーマウスに並んだんじゃないかと」(土田)
「こんないやらしい俺がどっこも見なかったもんね」(さまぁ~ず・三村)
三村の発言は、収録前にトイレに行こうとしたところ、廊下で鉢合わせした井森に「私もいましてきて、いちばん上のボタン外しっぱなし」と声をかけられたことを指してのものだ。
こうしてみんなが一様に井森を「女として」意識していないと明かしており、この辺の熱量の差が原因のひとつのような気がするのだ。
彼女のアイドルデビュー時のキャッチコピー通り「まだ誰のものでもありません」と、いまだ独身でいることが信じられないほど「井森美幸は女性としても魅力的」と思っている私からすれば、「僕、いまだに『結婚したい』なら井森美幸さんですもん。あんなにお綺麗で、あんなにお話できて、みんなに好かれて」と語っていたTOKIOの松岡昌宏が、このメンバーの中に入っていてくれたらと思ってしまった。
まぁ今回は、事務所側からNGが出て8年間封印されてきた「ホリプロタレントスカウトキャラバン」オーディション時の、あの「伝説の水色レオタード」で踊るVTRが久しぶりに見られただけでも、貴重な回だったと思うことにしておこう。
(堀江南)