「せっかくここに来たら、これを食べて」がテーマの旅グルメ番組といえば、「バナナマンのせっかくグルメ!」(TBS系)である。日村勇紀が日本各地を訪れ、地元住民にご当地グルメを紹介してもらい、その店に出向いて実食。6月4日放送の舞台は、仙台市泉区だった。
とある夫婦から「清次郎」という高級回転寿司店を教えてもらった日村は、店とロケ交渉。絶品寿司に舌鼓を打った。
続けて老舗パスタ専門店のスープパスタ、昔ながらの町中華のエビ焼きそば、さらにはどら焼き専門店の珍しい四角いどら焼きを、それぞれ街で出会った人たちから紹介され、制覇していった。
ところがここで「事件」が発生する。5品目として、番組をよく見ているという中年女性から、ふだん友達とよく行く和食レストランを紹介されたのだ。だが、肝心の店名をド忘れしたという女性は、なんと日村を車に乗せて、その店まで連れて行くことに。
車を走らせること10分、「ゆず庵」という看板を見た日村は、なんと「見たことある!」と意外なリアクション。
それもそのはず、全国で94店舗を展開する一大チェーン店だからだ。東京では練馬区、足立区、小平市、町田市、西東京市と5カ所にあり、神奈川県では横浜に3店舗を構えるなど、かなりメジャーな店であることが判明した。近畿、中国、四国、九州などにも展開しており、まさに全国区の有名店なのである。
それでも日村は、女性が教えてくれた恩に報いようと、人気のランチメニューを美味しそうに食べて、エンディングを迎えた。
「せっかくグルメ」仙台編の最後がチェーン店という、ご当地感が薄まった結末に「全国区のチェーン店はなしだろ」と思った視聴者は多かったようだ。さらに1軒目の「清次郎」はもともと、岩手県盛岡市に本店があることも判明した。
とはいえ、教えてもらった店に行くという番組ルールを忠実に守ったことで、意外な反応も。それが、
「この番組にヤラセがない証拠。よかった」
というものだった。結局、よかったということなのか、これは…。