前ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏から、かつて性被害を受けたと訴えている元ジャニーズJr.の橋田康氏ら3人が、児童虐待防止法の改正を求める約4万人分の署名を与野党各党に提出した。
署名には児童虐待防止法を見直し、加害者を「保護者」だけでなく「第三者」にも拡大するよう盛り込まれており、3人は法案の早期成立を求めている。
同日放送された「news zero」(日本テレビ系)ではこのニュースを取り上げ、月曜キャスターの嵐・櫻井翔がようやく、初めてこの問題に言及した。
「この件について、自分の言葉でお伝えできればと思います」
と口を開くと、
「今回の件ですが、私には2つの側面があると考えています。ひとつは今、問題の責任が問われている事務所に所属しているということ。そしてもうひとつは、大きな意味では自分は被害者側に見られうる立場に置かれているということです」
「自分は被害者に見られうる立場にいる」という言葉は、現役のジャニーズタレントとしては、踏み込んだ表現といえる。櫻井はさらに続けた。
「かつて同じジャニーズJr.として時間を共にしてきた大切な仲間の中には、すでにこの世界とはまったく違うところで新しい人生を歩んでいる人たちもたくさんいます。そういう人たちも含めて、あらぬ憶測を呼び、今回の問題の対象となってしまうことは、何よりも避けなくてはいけない、避けたい。そこを考える中で、私自身発言すること自体がまた憶測を呼び、広げ、無関係な人々まで傷つけることにつながるのではないかということを恐れています」
時おり声を詰まらせ、涙を浮かべながら言葉を重ねていく櫻井。そしてさらに深いところへと進んでいった。
「だからこそ、ジャニーズ事務所は、話したくない人の口を無理矢理開かせることなく、しっかりとプライバシーを保護した上で、どのようなことが起こっていたかを調査してほしい。そして被害を訴えている方々、ならびに本日提出された署名の皆さんの思いを重く受け止め、二度とこのような不祥事が起こらない体制を整えなければならないと思います。最後に、あらゆる性加害は絶対に許してはならないし、絶対に起こしてはならないと考えています」
テレビ関係者がこれを評する。
「ようやく重かった口を開いたな、というのが率直な感想ですね。性被害が明るみに出て、報道する局や番組も増えていき、『news zero』でもこの件が取り上げられましたが、メインキャスターの有働由美子だけが発言し、櫻井は画面から消えたこと、何も語らないことに対する批判は日に日に大きくなっていました。これ以上、批判が櫻井に向かないよう、一度語った方がいいという、番組や本人の考えを踏まえてのことでしょう。立場的には黙っていても批判され、話しても批判されるという難しい立場ではありますが、番組にはあくまで報道キャスターとして出演しているわけですから、もう少しその視点で語ってもらいたかった、とは思いますね」
この件に櫻井が言及するのは、これが最初で最後になるのだろうか。
(石見剣)