暴露YouTubeで火がついたガーシー人気は、本人を国会議員に当選させるまで過熱したものの、フィーバーはそう長くは続かなかった。国会欠席を続けて議員バッジを外されると国際指名手配がかけられ、先日、ついにお縄と相成ったのだ。闇社会の暗部で息を殺す現役ヤクザが、ガーシー逮捕に物申す!
水色のTシャツに白い短パン、足元にはサンダルという、着の身着のままの極めてラフな装いでガーシー(東谷義和)容疑者(51)が成田空港に到着したのは、6月4日のことだった。
薄ら笑いを浮かべ、背筋を伸ばして余裕しゃくしゃくのテイで歩く。UAE(アラブ首長国連邦)最大の都市・ドバイから東京までの約10時間というロングフライトの疲れを微塵も見せなかった。
だがその手には手錠がかけられ、逃亡阻止のための腰縄もしっかりと結わえられていた。逮捕容疑は俳優の綾野剛(41)らへの常習的脅迫、強要、名誉棄損、威力業務妨害の4つ。
「完全に虚勢だよ。無理してるのが丸わかりだ。まあ、目が泳いだりしてないだけ頑張ったんじゃないか。『私が悪うございました』ってツラなんかしたら、イメージが崩れてファンも減るだろうしな(笑)」
こう帰国時の様子をせせら笑うのは、テレビ報道を目にした、とある広域指定暴力団の幹部だ。
思えばガーシーは、世に出た当初から闇社会とのつながりをことあるごとに口にしていた。自著「死なばもろとも」(幻冬舎)でも、東京の西麻布や札幌・すすきの、大阪・北新地など日本有数の歓楽街で店を持っていた頃の話の中に、ヤクザのケツモチが頻繁に登場するし、夜の街のトラブルの顛末に、関東連合のような半グレ集団と出くわしたことも一度や二度ではなかったようだ。芸能界と反社会的勢力、それぞれの領域が重なるエリアで「アテンダー」としてうまく立ち回ってきたのが、ガーシーという男の正体なのだ。
それゆえ逆説的に、闇社会の住人はガーシーの心理や行動様式が手に取るようにわかる、という。暴力団幹部が続ける。
「逮捕されたのはYouTubeの動画で執拗に脅迫していたからだろ? あんなのは俺たちからすれば下の下のやり方。脅迫の証拠を残すようなことは、多少物のわかったヤクザなら絶対にしない。それでも続けたのは、『自分が絶対に逮捕されない』っていう過信があったからだな。ドバイ(UAE)は日本との『犯罪人引渡し条約』がない国。でも絶対っていうのはないんだよ。この間も引渡し条約のないフィリピンにいた『ルフィ』が強制送還させられたしな」
ルフィ強盗団の強制送還が始まったのは今年2月のこと。直後の3月にガーシーは参議院議員を除名されている。時流の変化を感じ取ったのか、今春以降は情報発信が激減していた。
YouTubeやSNSのアカウントは軒並み凍結されており、唯一残ったオンラインサロン「GASYLE(ガシル)」も、5月に入ってからは更新がまったくされなくなった。あの強気でガラの悪い関西弁が鳴りを潜めた結果、ついに恐れていた「Xデー」がやってきた、ということなのだ。