函館「サマーNF」◎脇本雄太/○犬伏湧也/▲古性優作/△嘉永泰斗/佐藤慎太郎/平原康多/新田祐大/守澤太志/松浦悠士/郡司浩平/新山響平/眞杉匠
ラインが劣勢でも、勝負どころで一気に仕掛けるのが実力者である。
特別戦を勝っている実力者のアドバイスは、初制覇を狙う選手を勇気づけることになる。
今年のGII2戦目となる函館「サマーナイトフェスティバル」(7月15日【土】~17日【月】)。ここまでの特別4戦はすべて西勢が制し、このサマーNFも東勢は4年連続で勝ち星から遠ざかっている。特に東日本のSS班6人には、西高東低をストップする快走劇を期待したい。
とはいえ、本命は脇本雄太しかいない。4月武雄記念で4連勝Vを飾って以降、決勝戦ではことごとく敗れている。まだ体調が万全ではないからだが、今回は3走だけに体力は持つ。ガード役は盟友の古性優作。圧巻まくりで決着をつける。
その脇本に力勝負で逆転を狙うのが犬伏湧也。ここを連覇している松浦悠士が後位を固め、勝つためのアドバイスもしてくれる。特別初制覇のチャンスだ。
あとはGIを2勝している古性と、5月函館記念の決勝戦で新田祐大や犬伏を寄せつけなかった嘉永泰斗は軽視できない。
山口拳矢は平塚ダービーでGIウィナーに輝いたあと、ピリッとしないレースが続いている。ここはダービー王の尊称にふさわしい戦い方を見せてほしい。
【大穴この1車】小川勇介(福岡・90期)。
完全優勝した6月玉野では、初日に1万円超と準決勝で4万円超を演出した。グレード戦でも高配当に絡む活躍が目立ち、平塚ダービー(〈3〉〈7〉〈5〉〈3〉)の3着は3万円超と6万円超。高知全日本選抜(〈3〉〈4〉〈4〉〈2〉)の最終日でも9万円オーバーのビッグショットを放っている。GIIは別府ウィナーズC(〈5〉〈4〉〈1〉〈6〉)の3日目に2万円超があるが、まずは好走の多い初日を狙ってみたい。
【狙い目の伏兵3人】
特別初参戦の橋本壮史(茨城・119期)は、すでに4月のGIII久留米で優勝している。関東の先頭でどこまで粘れるか、だ。
機動型がそろう南関でも、行きっぷりのよさは野口裕史(千葉・111期)が一枚抜けている。予選を勝ち上がって、郡司浩平を引っ張る姿を見てみたい。
いきなり全開で勝ちにいくのが北都留翼(福岡・90期)。掛かってしまえばファイナリスト入りもある。
総勢21選手による「ガールズケイリンフェスティバル」は、久米詩が自在戦で頂点に立つ。対抗はガールズ初のGIパールカップで優勝を飾った児玉碧衣。この2人に迫るのは▲坂口楓華と△柳原真緒とみた。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。