「なんで打てねぇんだよぉ!」
ベンチ裏に低音ボイスの怒鳴り声が響き渡る。声の主は西武の渡辺久信GM(57)だった。激高するのも無理はない。ことごとくチャンスで凡退し、チームの得点圏打率は12球団ワーストの1割台(7月6日現在、以下同)。かつて“山賊”と形容された重量打線は見る影もないのである。西武関係者が明かす。
「しばしば視察で球場を訪れる、ナベQに首脳陣はビクビクしていますよ。自チームの攻撃が不発に終わるたびに喫煙所で大荒れですからね。ひどい時には“ガッシャーン”と灰皿を蹴り倒したような音まで聞こえてくる始末。そんな怒り心頭のGMを横目に松井稼頭央監督(47)も平石洋介ヘッドコーチ(43)と目を合わせて苦笑いを浮かべるしかありません」
それもそのはず、本来打線の中核を担うはずだった主砲の山川穂高(31)が約2カ月にわたって戦線離脱中。強制性交容疑で書類送検されてから1カ月以上が経過しても、まだ復帰のメドが立たないのだ。前出・西武関係者が続ける。
「3軍の練習に参加する日々です。一時は、球団との話し合いにより、被害女性に1億円の示談金を支払う方向で話が進んでいました。ところが、山川が支払いを拒んだことで示談が成立せずに、強制わいせつの一件は宙ぶらりんのまま。『週刊文春』の取材に対して、『無理やりするほどいかれていない』と発言していたように、山川本人は不倫の事実は問題視していない。そればかりか、頑なに“合意”の上で肉体関係を結んだことを主張して、自身が清廉潔白だと訴え続けているんです」
あろうことか、被害者サイドへの不信感まで見え隠れしている。球界OBが後を引き取る。
「チームメイトには話していないようですが、球団外の知人には『ヤクザには金を払えない』と主張しているそうです。要は、被害者女性のバックに筋の悪い人間がいると、根拠もなく勝手に思い込んでいる。かつて、巨人の原辰徳監督(64)が元暴力団員に1億円を支払った不倫スキャンダルの顛末を想起しているのでしょう」
とはいえ、球団内にも山川の味方は少ないようで、
「完全に山川本人がこじらせている。示談に応じない態度には『脳みそが筋肉でしょうがない』とチームメイトからの皮肉も聞こえてくる。西武に伝わる、かつての管理部長・根本陸夫氏の『タダ飯を食うな』『女にケチるな』という教えに反する軽率な行動でした。それだけに、黄金期を知る球団OBのほとんどが『あいつが悪いよ』と山川にアキれかえっているといいます」(前出・球界OB)
ちなみに、山川の不在で苦労を強いられている松井監督も、現役時代にトラブルを起こしたという。
「コンビニで絡んできたしつこいチーマーをのしたことがあったそうです。ただし当時は、球団にトラブルシューターが待機していて、事件が公になる前に収めることができたといいます。そういう意味で、皮肉にもコンプラ意識が強くなったために“隠蔽体質”の薄まった現体制は、山川にとってアンラッキーだったのかもしれません」(前出・西武関係者)
人の噂も七十五日─。世間が忘れた頃にプロ野球人生も終焉してなければいいのだが‥‥。