横浜DeNAベイスターズの山崎康晃が守護神の座を剥奪され、前半戦を終えた。
「総合的に判断した。本人と話をした。クローザーという結果が求められるところと立場で、本人も苦しんでいた。チームとして戦っているわけですから、判断しました」
三浦大輔監督は怒気を含んだ声で、そう語った。中継ぎへの配置転換である。
守護神失格の決定打となったのは、7月15日の広島カープ戦。1点リードの9回に登板したが、一死から坂倉将吾に左越えソロ本塁打を浴び、続くデビッドソンには二塁打を浴びて降板。2失点で、早くも今季6敗目を喫した。救援敗戦6と防御率4.45は、セ・リーグのクローザーの中では頭抜けて悪い数字だ。原因はどこにあるのか。
「直球の回転数と威力が落ちていることで、タテに落ちるツーシームが見切られてしまっています。そのため年々、奪三振数が減っていることは、以前から指摘されている。抑えである以上は、三振が取れないと務まりません。山崎の場合は直球とツーシームのほぼ2球種で勝負しているので、空振りが取れなければ、苦しいピッチングになってしまいます」(スポーツライター)
優勝争いに絡む今年は散々な結果で、チームの足を引っ張っている。
「30歳になり、力が落ちていることに、球団は頭を悩ませています」
こうチーム事情を明かすのは、球団関係者である。続けて、
「昨年11月に年俸3億円の6年契約、総額18億円に及ぶ超巨大契約を結んだばかり。途中で破棄する条項をつけていないため、6年間はベイスターズでプレーすることが決まっています。このままいけば、力の落ちた中継ぎ投手のために、毎年3億円を支払い続けることになる。山崎の代わりに新守護神を補強しなければいけない状況になったわけですから、球団財政圧迫の危機ですよ」
「生涯ベイスターズ」を宣言している山崎だが、守護神返り咲きへの先行きは暗い。このまま「扱いの難しい投手」になってしまうのか。