阪急交通社によると、この夏のレジャーシーズンは国内のハイキング・登山の旅の予約が好調で、コロナ禍前の2019年と比較して1.8倍に増えているという。ここ数年下火になっていた登山のブームが再来の気配を見せ、消えていた「山ガール」たちも戻ってくるかもしれない。
アウトドアライターが語る。
「公益財団法人日本生産性本部が発行する『レジャー白書』のデータでは、山ガールという言葉がブームになっていた12年の860万人をピークを登山人口は右肩下がりになっています。特に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、県境をまたぐ移動の自粛が求められた21年には440万人とおよそ半数にまで激減。登山人口の減少によって廃業する山小屋も増え、新たに登山を始めるには環境面でもハードルが上がってしまっているのです」
コロナ禍により登山者の数は減ってしまったが、その一方で大ブームとなったのがキャンプだ。初心者でも楽しめるグランピングから、ひとりキャンプやオートキャンプなど幅広い楽しみ方が受け入れられた。そんなキャンパーたちがコロナも落ち着き、次のステップとして注目しているのが登山なのである。自然と触れ合う喜びを改めて知り、昔とった杵柄で久しぶりに登山を再開する人も増えているという。
「『ワークマン女子』など機能性も高くオシャレなアウトドアウェアも増えていますから、今まで息を潜めていた山ガールたちが約10年の時を経て復活するかもしれません。ただ、最近では標高の低い山でも遭難者が出るケースも増えていますし、以前かじったことがあるからと登山を舐めてはいけません。まずは近場の山で自分の体力や技量にあった登山計画を立てて、少しずつレベルを上げながら挑戦してもらいたいと思います」(前出・アウトドアライター)
事故が起きないよう、しっかりと準備をしてから登山に出かけよう。
(小林洋三)