プロ野球ファンなら記憶にあるかもしれないが、日本野球機構(NPB)が2軍チームを新たに設立しようと、公募しているニュースがあったはずだ。
そこに参戦を表明した「火の国サラマンダーズ」は熊本県に拠点を置く、独立リーグの九州アジアリーグに所属する。ところがこの運営会社が7月26日になって、資金調達が厳しいことを理由に、断念したと発表したのだ。
運営会社幹部がこの日に開いた会見では、参戦にあたって複数のスポンサー候補企業と話し合いの場を持ったものの、地縁がなかったり、チーム自体が1軍と絡まないことなどを理由に、交渉は不調に終わった。また、雨天練習場整備についても、課題を残していた。NPB関係者が肩を落として言う。
「早くから火の国サラマンダーズの運営会社は参戦希望を表明していたのですが、当時も最大の課題は『資金集めが成功するかどうか』でした。結局、お金が集まらなかったということです。物価高などもあり、なかなか事業化するハードルは高い」
ではどうなるのかといえば、
「候補地はこれで絞られました。静岡、栃木に新球団設立を目指す球団がありますが、立地条件を考えると、そこが最終的に生き残るのではないか」(前出・NPB関係者)
7月28日には静岡県と静岡市、新球団の運営会社「ハヤテ223」の3者が協定を結ぶ予定。正式決定される今秋に向けて、各エリアが大きく動き出している。