政治家の「海外視察」といえば、過去に数々の「ムダ」と「お遊び旅行」が報じられてきた。自民党女性局によるフランス研修旅行もまた、物議を醸す事態になっている。
これは国会議員4人を含む総勢38人の参加者が自民党費と自費で参加したというものだ。3泊5日の日程で、7月下旬にフランスに到着。現地の教育省や少子化担当議員との意見交換が行われたと、女性局局長の松川るい参院議員がSNSに投稿した。
ところが現地で撮られた写真を見ると、エッフェルの前で、エッフェル塔をマネしたポーズの3人が満面の笑みを浮かべる(写真は松川氏のSNSより)。そして松川氏の「パリは、うつくしい」のコメント。どこかの企業の社員旅行なのかと勘違いするようなものだ。
そもそもフランス到着時からして、今井絵理子参院議員が「女性局メンバー38名、無事にフランス到着!!」と投稿し、空港やバス内でのニコニコ写真をアップしている。いったい何をしにフランスに出かけたのというのか。
「九州や秋田の豪雨災害対策や、福島原発処理水の海洋放出問題など、政治課題は目白押しのこの時期に、38人もの海外研修とは…。SNSの写真を見る限り、お遊び感覚としか言いようがありませんね」(政治部デスク)
ニコニコ顔写真の今井氏が「外交の失敗は、一国を滅ぼす」とSNSに書き込んだことに「税金旅行楽しいですか?死んでほしい」というDMが届く、物騒な展開に。今井氏はこのDMを晒した上で「このような言葉を発する方々のことも心配しています」とやんわり反撃したのだった。
こうした批判を受けて、松川氏のSNSからは「エッフェル塔前での記念写真」が慌てて削除されることに。さすがにまずいと思ったのだろう。
自民党の支持率低下の一因には、LGBT理解増進法の際の無理やりな議会運営が挙げられる。こうした時に、女性局によるお気楽旅行が露呈したことは、自民党の評価をさらに下げることになる。
岸田政権にとっては、とんだ8月のスタートとなったのである。