夏の高校野球は通算140本塁打を誇る佐々木麟太郎内野手(花巻東3年生)が、大会第3日第1試合で宇部鴻城と対戦する。佐々木は昨春のセンバツ大会で4打数無安打に終わり、初戦敗退を喫している。最後の夏の甲子園に向け「チームのために頑張ります。1打席1打席かみしめて日本一を取る」と鼻息は荒い。
だが、希代の怪物の体調は芳しくない。岩手大会前に背中を痛めて体重がうまく軸足に乗らず、打球角度が上がらない。岩手大会は5打数5安打2打点0本塁打という結果だった。高校野球を取材するスポーツライターが言う。
「故障がちで、1年時からスネや胸、足裏、肩など様々な箇所に痛みが出て、悩まされてきました。実父である佐々木洋監督は、大学に進学して体作りをしてからプロに進んでほしい、と考えているようです。どういった進路をとるのか、この甲子園大会が大きな選択材料になります」
難しい選択を迫られそうだが、清原和博、松井秀喜級といわれるスラッガーの動向に、プロ球団は熱視線を送っている。甲子園で本塁打連発フィーバーとなれば、10月26日のドラフト会議は、複数球団競合で佐々木一色となる。
「プロ球団は足しげく花巻東に通い、進路について大きな発言権を握っている佐々木監督の意向を探っていました。現状、日本ハム、DeNA、楽天、巨人などが上位指名の有力候補に挙げていますが、各球団ともフィーバーに備えて佐々木サイドとの面談の準備もしていますよ。ある球団は、大谷翔平の時のように育成プランや、サポート体制を提示した上で『早期メジャー挑戦手形』を用意する意向があるようです」(前出・スポーツライター)
ファンもプロ野球スカウトも、佐々木の全打席を固唾を飲んで見守ることだろう。