阪神は長期遠征の最初の1週間を5勝1敗。前カードの対DeNA3連戦(8月4~6日、横浜)では3連勝と地力のあるところを見せている。
この3連勝の立役者となったのが、島本浩也投手。8月4日の第1戦では8回2死満塁のピンチでマウンドに上がり、佐野恵太を空振り三振に仕留めた。6日の第3戦でも1点リードの7回1死2、3塁から3番手として投入され、後続2人を無失点でピシャリ。岡田彰布監督も「島本サマサマよ」と大絶賛していた。
島本は育成出身のプロ13年目。2019年にはキャリア最多となる63試合に救援登板し防御率1.67の好成績をマーク。翌年、左肘のトミー・ジョン手術を受け、昨季、3年ぶりに復活。今季は5月23日に昇格し、登板数はすでに20試合を超えている。
ようやく完全復活という印象だが、そんな島本について阪神OBの能見篤史氏は8日放送の「す・またん!」(読売テレビ)でこう解説している。
「もともとは腕をしっかり振れるし、非常にいいボールをずっと投げているピッチャー。マウンド度胸も素晴らしい。ピンチの場面でも、普通はちょっと警戒しながら入るけどそれが微塵もなく『打てるもんなら打ってください』というのが見える」
さらに「岡田監督も『島本で打たれたら仕方がない』ぐらいの信頼を持って出している」と語った。
阪神の18年ぶりの優勝には、この苦労人左腕の活躍は欠かせないだろう。
(鈴木十朗)