巨人の球団内に、本拠地・東京ドームでの阪神ファンの観戦を規制する動きが出ている。スポーツ紙プロ野球担当デスクが明かす。
「発端は8月8日の試合でした。高梨雄平が登板した際に、スタンドの阪神ファンから『帰れ』コールに加え、大ブーイングが起きました。確かに7月22日の試合で、高梨が阪神・近本光司にデッドボールを与えてケガをさせ、欠場に追い込んだ。でも巨人としては、和解したとの認識です。あまりにしつこいと判断しているようでした」
現在、学生の大半は夏休み中のため、東京ドームで野球観戦する子供たちは多い。ところが今回の阪神戦では、あまりのヤジのひどさやブーイングの連続で、気分を害して席を立つ親子連れの姿が目立った。前出のデスクは、
「SNS上には『ドームでの阪神戦には行かない』との書き込みがあります。対戦相手をリスペクトしない声援は教育上よくない、と判断する保護者もいます。今年はWBCで野球に真摯に向き合う姿勢がクローズアップされたのに、阪神ファンの言動は水を差しかねない」
虎党にとっては、久しぶりに巡ってきた「アレ」のチャンスだ。熱くなるのも無理はない。だが巨人とて、優勝は無理としても、クライマックス・シリーズ出場が最低条件。万難を排したいのが本音だ。阪神ファンの言動によって、本拠地にもかかわらず必要以上にナーバスになるのは避けたいところである。
「巨人の球団内には、阪神ファンを一種のフーリガンと考えている人間もいる。先日、浦和レッズサポーターが試合後に暴動を起こし、チームは対象者77人を処分した。野球でもそのぐらい毅然とした態度を取るべきだ、という声も出始めています。今のような事態が続けば、巨人が阪神に対し、なんらかの対策をとるよう、要望を出すことになるでしょう」(スポーツ紙遊軍記者)
両軍ファンのヤジが笑いを誘い、試合を盛り上げることも多い。だが、相手チームのファンを不快にさせるようでは、伝統の一戦が色あせてしまう。
(阿部勝彦)