日本野球機構(NPB)が8月14日、前日の東京ドームでの巨人対DeNA戦の試合中に起こった事案について、公式サイトで超異例の要望を公表した。
この試合では4回の巨人の攻撃中、坂本勇人の飛球が左翼フェンスをオーバーするか微妙な場所に当たるも、審判はフェンス上部に当たったと判断。その後、原辰徳監督がリクエストを要求したが、2塁打として試合は再開された。
ところがこの時に左翼席で観戦していたファンが、フェンスよりも前に手を出してボールをキャッチしようとしたことから、問題は大きくなった。球界関係者が説明する。
「公認野球規則で定める『観客の妨害』に相当する可能性があったわけです。観客の手には触れていたものの、打球がフェンスオーバーしていないため、本塁打にはならないと判断された。つまり、観客が触れる行為がなかった場合はどうなっていたか、それを判断した結果の2塁打でした。とはいえ、わざわざNPBが観客に対し、フェンスを越えて手を出さないでほしいとして『そのような行為にご注意いただきたい』との声明を発表した背景には、今シーズン、別の試合で同様の事案が発生していたことがある。この時は中継映像からファンの個人情報が特定されて、大問題となりました。NPBもいらぬ騒ぎを起こしたくない、そんな思惑が透けて見えます」
ちなみにメジャーリーグで同様の行為を行うと最悪の場合、観客は退場しなければならない。野球ファンはくれぐれも注意してほしい。