8月8日から10日にかけ、巨人が東京ドームで今季初となる同一カード3タテを食らった。それもライバル阪神が相手とあって原辰徳監督にとってはいただけない結果だ。
3連敗について原監督は、
「相手チームはいいところで1本出ている。我が軍はもう1本というところ。3戦ともそうでしたね」
と、その表情はさすがにさえなかった。この直接対決の結果により、8月にもかかわらず今季の対阪神戦での勝ち越しはなくなった。
優勝はもとより、クライマックスシリーズ(CS)への出場権を得る3位も微妙になりつつある原巨人。試合中、テレビの画面に映る監督の表情も力はなく、目は真っ赤。この状況では来季の続投がにわかに怪しくなってくる。巨人担当記者によれば、
「年俸だけで2億円と言われる原監督の契約は来年まであります。球団が今季限りで見切りをつけるとなれば、契約内容にもよりますが来年も2億円を右から左に払うことになる」
原監督は昨季5季ぶりのBクラスに沈み、監督を務めた16シーズンで初めてCSの出場権を逃している。続投決定の際は「このまま終わってたまるか、という新しい情熱が出てきた」とコメントしていたが、
「昨季もチーム成績が落ち込んだ8月、山口寿一オーナーに『進退伺』を出しています」(前出・巨人担当記者)
この時、山口オーナーは受理をせず、何度も両者で今後の巨人について会談を行っている。その結論が「原監督の続投」だったわけだが、例年はドル箱カードとなる真夏の東京ドームの巨人阪神戦でも、満員札止めとはならず空席が目立った。コロナ禍前には楽に達成していた1試合平均4万人の観客動員を今年も達成できそうにない。
このままでは、球団関係者、ファンの間で原監督の「続投」に両手を挙げて賛成する声は減るばかりだろう。
(小田龍司)