お盆休み、夏休みを海外で過ごす出国ラッシュを迎えた関西国際空港は、大きなスーツケースを引く旅行者で溢れた。関西エアポートによると、お盆を中心とした夏休み期間の総旅客数は60万人近くを見込み、コロナ禍前の令和元年の7割ほどの水準まで回復しているという。だが、せっかく海外旅行ができるようになったとはいえ、関空の施設内の回復はまだ先になりそう、との懸念がある。大阪市に住む30代の女性が言う。
「コロナ禍から始まった大規模改修工事の影響で、3階のレストランエリアが全面閉鎖してしまったんです。ショップも閉鎖されてしまったので、旅行前にちょっとした忘れ物を買う店もありません。この前、韓国に行く時、変換プラグを持ってくるのを忘れてしまって空港で買おうと思ったのに、見つかりませんでした」
第一ターミナル保安検査前の一般エリアでは、3階に30店ほどの飲食店や物販店があったが、現在は工事でほぼ全フロアが閉鎖されている。LCCが発着する第二ターミナルに至っては、保安検査前のレストランは、カフェ1軒のみが開いている状態だ。
一方で、関空へとアクセスするリムジンバスにも不満の声が噴出。地元利用者が憤る。
「コロナ禍により利用者が減ったことで時刻表が改正され、本数が激減したんです。私が利用する便は、朝8時台の次は13時までバスがありません。関空も夜9時台で終わってしまうため、深夜到着だと電車で帰らないといけなくなる。インバウンドが復活したので増便してくれれば…とは思いますね」
こうした影響から、関空では出発前の食事難民も多数。旅行前に空港の雰囲気を楽しむ人は多いと思うが、今の関空はそれができない状態なのである。