8月18日に行われたDeNA戦(横浜)での盗塁を巡る判定を不服として阪神が日本野球機構(NPB)に提出した意見書について、NPBの杵渕和秀セ・リーグ統括が20日、横浜スタジアムを訪れ岡田彰布監督らに回答した。
問題となったのは9回表、一死一塁から阪神・熊谷敬宥内野手の二盗が阻止された場面。ベースカバーに入ったショート・京田陽太の足が二塁ベースを塞ぎ走者と接触。当初セーフ判定だったが、DeNA三浦大輔監督がリクエスト。その結果を敷田直人責任審判が「セカンドで走者と野手が接触しましたが妨害とはいたしません。よってアウト」と場内に説明。これに岡田監督は5分間近くの猛抗議を行っていた。
杵渕統括は判定を「尊重する」との立場を示した上で「審判の判定基準に手をつける。走塁妨害をとるとか、今後はそういうことも出てくる」と今後ルール改正の検討していくことを明かした。
岡田監督は試合後、
「オレの言うたことがちょっとは検討することになったんちゃう。どうみてもアレやんか。アレをOK言うたら、みんなあの練習するよ。みんな(走者の進路を塞ぐ形で)座り込んでボール捕るよ。そんなん当たり前のことやんか」
と話している。
この問題について各野球解説者はどう見解を述べているか。
高木豊氏はプロ野球ニュース(フジテレビ=CS放送)で、
「走ってきた人間としては、あんなところに足があったら『妨害だろ!』と思います。僕は二塁手として盗塁を刺しにも行っていたじゃないですか。その面からすると、『これは仕方ないよ』と思う」
と、走塁側、守備側双方のことを考えると複雑であるとしている。また田尾安志氏は自身のYouTubeチャンネルで「走塁妨害」として、こう見解を述べている。
「もし(京田選手の)足がなかったら熊谷とタッチ、どっちが速かったのか。そういうふうに審判は見ないといけないと思う。僕が見るかぎり、足がなければ熊谷のほうが多分ベースタッチが速かった」
ほか谷佳知氏などはデイリースポーツで「あれがアウトになるなら走者はつらい」としていた。現状、危険な衝突を禁止するコリジョンルールは本塁のみで、ほかの塁では適用されていない。そのため今回はセーフとなったが、今後、本塁以外でも適用される可能性も出てきた。
(鈴木十朗)