今年の夏は新型コロナウイルス感染症の5類移行後初の夏休みになったこともあり、車で観光地を巡った人も多かったのではないだろうか。
そんな中、独特の「ローカルルール」や道路交通マナーに戸惑ったドライバーが続出。ネット上では「危険な『ご当地ルール』は厳重に取り締まって欲しい」との声が広まった。
愛媛県伊予市が発祥とされているのが、「伊予の早曲がり」だ。これは、愛媛県内でよく見られる行為で、交差点で右折する際、青信号になったと同時に急発進し、対向車よりも早く右折すること。もちろん交通違反であることは間違いない。
また、茨城県で見られるのは「茨城ダッシュ」だ。これも「伊予の早曲がり」同様、青信号と同時に猛ダッシュする違法行為で、県内では現在、白バイや覆面パトカーでの取り締まりを強化させている。
「松本走り」は長野県松本市内でよく見られる運転方法の俗称。対向車が左折するスキを見計らって右折を行ったり、信号が赤にもかかわらず前車にそのまま付いて右折を行う、ウインカーを出さず右左折や車線変更、駐停車するなど、多岐にわたっており悪質性はより高い。
自動車ライターが語る。
「運転マナーを逸脱した様々なローカルルールがありますが、有名なのは『名古屋走り』でしょうね。信号無視や速度超過、車線跨ぎに右折フェイントなど、もちろん全てのドライバーではないものの交通モラルが低い。2022年の愛知県の交通事故発生件数は東京、大阪に次ぐ全国3位、交通事故死者数は大阪に継ぐ2位で、全国的に減少傾向が続くなか前年より20人も増加しています。夏休み中に愛知県を車で訪れ、マナーの悪さに驚いたドライバーも多かったようです」
独特のローカルルールは地元ドライバーにとって、その地域でのみ認められているような気になってしまうのかもしれないが、れっきとした交通違反。くれぐれもルールを守って周囲の迷惑をかけない運転を心がけてほしいものだ。
(ケン高田)