笑顔で手を握り、目と目で見つめ合う。まるで熱愛中のカップルの婚約発表さながらのシチュエーションに、集まった報道陣からは「いくらなんでも、やり過ぎだろ」との声が上がる。
これは1993年9月7日に六本木のテレビ朝日で行われた、水沢アキと実業家の夫ガイ・スウィーヒ氏との離婚記者会見の様子である。
しかも2人が離婚したのが、7回目の結婚記念日である6月21日。会見に臨んだ2人は、
「ひとつの大きな問題ではなく、生活上の積み重ね。一緒に住んでみて、見えなくていいところも見えてしまった。これからはベストフレンドとして頑張っていきたい」(水沢)
「どちらか一方が悪いわけではない」(スウィーヒ氏)
あくまでも「円満離婚」を強調したのだった。
ただ、結婚すれば「見えないところ」が見えてしまうのは、当然のこと。しかも水沢には「少年隊」の錦織一清との、約10歳差の「不倫疑惑」報道もあった。水沢はこれについて、
「私は錦織さんのお姉さんと友人関係にあり、一清さんとも家族ぐるみで付き合っています」
結局、この離婚会見ではお互いの微妙な心のズレが原因、というトーンに終始することになった。
ところが、である。離婚から9年目を迎えた2002年11月、突然、水沢が「週刊現代」で「私を通り過ぎた男たち」とのタイトルで、過去に関係を結んだ7人の男性遍歴を暴露したから大騒動に。圧巻だったのが、香港を代表する大スター、ジャッキー・チェンに関する記述だった。
〈ジャッキーとは体が合うという気がしたの。その後、31歳になって結婚したガイよりは遥かに相性が良かった〉
記事によれば、ジャッキーは彼女に会うため、月に3回も来日していたというのである。むろん、書かれた男たちが困惑したことは言うまでもない。そこで水沢を直撃すると、
「私、騙されたんです。もう取材は一切、受けません!」
秘め事の告白に、相手側からなんらかのリアクションがあったことは想像に難くないが、名指しされた男たちは、公には口をつぐんだまま。
そんな騒動から十数年の歳月を経た2013年12月1日、彼女は関西テレビの「マルコポロリ!」に出演。ジャッキーについて聞かれると、
「もう覚えていないですけどね…。でも、とっても優しかった。あ、体はすごかったですねぇ」
再び「関係」を明かしたのだった。この発言によって、中国のSNSでは〈あのジャッキーが不倫していた!〉と大騒ぎになったというから驚く。
そんなこともあって、芸能マスコミ関係者の中には、いまだ彼女による「隠された爆弾告白」に期待する声もあるようだが、はたして…。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。