なんとも心配なニュースが入ってきた。日本時間8月24日、エンゼルスの大谷翔平はレッズとのダブルヘッダー第1試合「2番・投手兼DH」で先発出場。初回に44号先制2ランを放ったが、2回途中に26球で無失点降板。ダブルヘッダー連敗後の会見でペリー・ミナシアンGMが、大谷の右肘に内側側副靱帯の損傷が判明したと発表した。靭帯の一部は断裂しているという。
大谷は渡米1年目の2018年10月にも、今回と同じ右肘の靱帯を痛め、トミー・ジョン手術を受けている。ミナシアンGMは、次のように説明した。
「断裂の部位がある。今季の残りは登板しない。プランや詳細はまだわからない。2018年は靭帯損傷後も打撃は行っていた。彼のことを思うと、ひどい気分になる。しかし、これが現実。(手術については)まだ決まっていない。手術をするかどうかも、これから彼自身が決める」
大谷は辛い決断を迫られる。
ナ・リーグ、ア・リーグ通じて現在単独トップの44本塁打をマークする大谷だが、シーズン中に再度トミー・ジョン手術を受けるとなれば、本塁打王のタイトルは怪しくなってくる。
トミー・ジョン手術は自分の脚などから摘出した腱を、上腕骨と尺骨に穴を開けたところに通して、ピンと張った状態で固定する「腱を靭帯の代わりに使う」手術。今では成功率90%を超えるが、腱の定着を待ってリハビリ療養するだけでも1年以上かかるため、来季の二刀流は絶望的だ。
この手術を2015年に受けているパドレスのダルビッシュ有は、手術後の腕の違和感について、次のように語っていた。
「本当に原因不明というか(手術後の)2016年、2017年に、もう絶対にこれ靭帯また切れたって思うくらいの痛みが走ったことがあった。やっぱり復帰してから1年、2年は普通じゃない状態になる」
二刀流の本格復帰は早くても、31歳の2025年になる。
一部靭帯が断裂したまま打者として試合に出続けることもできるが、肘の状態が悪化する可能性は否定できない。シーズン後のFAにも大きく影響しそうだ。
メジャーリーガーの中には、過去5回もトミー・ジョン手術を受けた投手が存在した。メジャーでも規格外の大谷のこと。2回の手術も乗り越えられると信じたい。
(那須優子)