エンゼルス・大谷翔平の日本人初のメジャー本塁打王獲得に向けて、敏腕代理人ネズ・バレロ氏がナショナル・リーグの各球団に脅しをかけていると、ウワサになっている。
所属チームの低迷に反比例し、本塁打王に向けて驀進する大谷の周囲は日に日にきな臭さを増しつつある。日本時間8月2日に迫ったトレード期間終了を前に、移籍情報が米球界を駆け巡っているからだ。メジャーリーグの取材に携わるスポーツライターが現状を説明する。
「ポストシーズン進出に十分望みのあるチームは、大谷を欲しくてたまらない。ドジャースやヤンキースなどは、残りわずかになった期間で攻勢を強めるつもりです」
7月20日終了時点で、大谷の本塁打数は35。2位以下に大差をつけており、故障などの大きなアクシデントに見舞われない限り、アメリカン・リーグの本塁打王と二度目のMVP獲得は、ほぼ確実だろう。
だが実際は、大きな壁にぶつかる可能性がある。もし大谷が今シーズン途中でドジャースやメッツなどのナ・リーグに移籍すれば、個人成績はその時点でストップ。ナ・リーグで一から数字を積み上げなくてはいけないからだ。両リーグで合算した成績は参考記録として残るものの、現実的には無冠で終わる可能性が高い。となれば、日本人初の本塁打王は夢で終わってしまう。
個人成績よりチームの勝利を優先する二刀流だが、さすがに本塁打王のタイトルは欲しいだろう。チーム事情でトレードされるにしても、同じアメリカン・リーグ球団に行きたい…それが本音だ。
そこで暗躍し始めているのが、代理人のバレロ氏なのである。
「どうもナ・リーグのチーム関係者には、シーズン中のトレード話をエンゼルスに持ち込まないようチラつかせているようです。仮にトレードが成立しても、そのチームとはFA残留交渉には応じない、と。トレードで若手を何人も差し出した上、オフに再契約できないのは、リスクがありすぎます。当然、腰は引けるでしょうね」(前出・スポーツライター)。
バレロ氏にとっても、大谷のタイトル獲得は契約金アップの材料になり、自らの手数料にも直結する。暗躍ぶりに拍車がかかろうというものだ。
(阿部勝彦)