巨人・原辰徳監督にとって屈辱的な歴史として語られるのが、ソフトバンクとの日本シリーズだ。2019年、2020年、巨人は連続して日本一を逃すとともに、いずれも1勝もできず、シリーズ8連敗を喫したのである。
前ソフトバンク監督の工藤公康氏が、槙原寛己氏のYouTubeチャンネル〈ミスターパーフェクト槙原〉に出演。伏線は2018年の日本シリーズにあったのだと証言した。
その2018年は4勝1敗1分けで日本一になったソフトバンクだが、日本シリーズの相手は広島カープ。丸佳浩を攻略のターゲットにしていたと、工藤氏は振り返る。
「このチームの核となる選手は誰なのか。あの時は丸選手だった。丸選手は配球を書くような研究熱心な選手だったじゃないですか。その選手がインサイド、インサイドっていうふうに攻めていって、そこを意識すると、他のところがより打てなくなるってデータがあったので。そうすると他の左バッターも意識する。丸選手を抑えることによって、いろんな波及効果が…」
2019年は丸が巨人に移籍しているが、工藤氏が言うには、
「2019年の日本シリーズも(ターゲットは)丸選手。だから岡本(和真)選手じゃないんですよ。丸選手をどう抑えるか。彼自身を抑え、チャンスを与えないようにしたら絶対勝てると」
2018年の日本シリーズでの丸の成績を見てみると、引き分けとなった第1戦は4打数無安打2三振。唯一広島が勝利した第2戦は3打数1安打1打点。残る4試合は18打数3安打2打点、8三振。トータルでは打率1割6分と、完全に抑えている。
そして2019年の日本シリーズの丸は、16打数1安打1打点6三振という結果に終わった。
「広島は2016年から3年連続でペナントを制するも、日本一を逃しました。2017年はクライマックスシリーズで敗れています。巨人に移籍した2019年に日本シリーズ進出を決めると、丸は自分こそ日本一に飢えていると闘志を燃やしていたのですが…」(スポーツライター)
知将の作戦が、大一番を制したのである。
(所ひで/ユーチューブライター)