当然の結果だろう。なにわ男子がメインパーソナリティーに、芦田愛菜と小泉孝太郎、有働由美子がチャリティーパーソナリティーを担当した日本テレビの毎夏恒例チャリティー特番「24時間テレビ」終了後の募金額は、昨年を1億円も下回る2億2223万8290円だった。2019年の6億円と比較すると、およそ3分の1にまで大きく落ち込んだ。芸能ライターが解説する。
「性加害スキャンダル渦中にあるジャニーズタレントのゴリ押しだけでも、視聴者はシラケきっていました。おまけに起用されたジャニタレ本人や局アナには、危機意識も責任感も全くない。中京地区のパーソナリティーだった『美 少年』には、次々と不祥事が発覚。金指一世と都内キャバクラ嬢との不適切写真がSNSで拡散した。さらに那須雄登が東京・帝国劇場の楽屋の壁にシュークリームを投げつけるのを佐藤龍我が撮影する様子が、ネット上に拡散された、8月18日になってジャニーズ事務所は公式サイトに井ノ原快彦の署名付きの謝罪文、反省文を掲示しましたが、本人達が考えたかどうかも定かでない反省文だけで、シレッと24時間テレビに出演している。ジャニタレのスキャンダル隠しに、障害児を例年よりも前面に出すお涙頂戴の進行は興醒めでした」
ジャニー喜多川氏による男児や少年への性暴力が取り沙汰された後も、「美 少年」という性加害を連想させるユニット名で売り出そうとする。そんなジャニーズ事務所の無神経さが指摘されていた。
その無神経さは、日本テレビと読売新聞も同じだ。テレビ関係者が言う。
「8月26日23時からのコーナー『24時間もヒッパレ!~明日につなげたい名曲TOP10~』では、日本テレビ開局70年を記念し、歴代の日本テレビの歌番組を紹介したのですが、これには仰天しました。ジャニーズ事務所の初代タレント、ジャニーズの『ジャニーズナインショー』『ジャニーズセブンショー』が取り上げられたからです。ジャニーズメンバーの1人、中谷良は自著『ジャニーズの逆襲』の中で、ジャニーズ所属タレントの中で最も早く、ジャニー喜多川氏からの性被害を告発しましたが、彼の勇気ある訴えは押さえ込まれた。しかも同コーナーのスポンサーは、読売新聞社でした。日本テレビと同グループの読売新聞社は、1960年代から『ジャニー喜多川の性加害を知りながら、今までジャニーズ事務所の帯番組を作ってきたのか』という疑念とともに、吐き気がする思いでしたね」
日本テレビが来年以降も「ジャニーズ祭り」的な「24時間テレビ」を続けるつもりなら、ジャニーズ事務所の性加害問題と所属タレントの性被害訴えを60年近く封じてきた自社の報道姿勢に向き合うべきだろう。