日本テレビの定例会見が9月25日に同局で行われ、石澤顕社長が8月26日夜から27日にかけて放送された夏の風物詩「24時間テレビ」について「分析をしていかなければいけない」と語った。
今年の「24時間テレビ」は「なにわ男子」がメインパーソナリティーを担い、ヒロミが102.3キロマラソンに挑戦。平均個人視聴率が6.6%、平均世帯視聴率は11.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だった。打ち切り圧力が近年、高まっているこの「24時間テレビ」について、日本テレビスタッフの受け止め方はというと、
「実は社会貢献度が高く、福祉業界からは『放送を絶対に止めないで』といった声が出ています。医療や介護の援助はもちろんのこと、盲導犬、災害復興、難病への補助など、幅広い分野への尽力が評価されています。第1回放送から福祉車両の寄付は1万2000台を超えた。年1回しか放送されない番組がもたらす奉仕量としては巨大。国や市町村、行政分野からも感謝されている番組ですよ」
フィランソロピーやメセナといったCSR(企業の社会的責任)の高まりから、大手のナショナルスポンサーが大量に集まり、演者の出演料はその広告料から供出されている。募金から出演者のギャラが支払われているという情報が流れているが、そうしたことはないという。ところが一方で、
「安易にジャニーズタレントを使う手法や、マンネリの企画力といった番組の内容を考え直さなければ、視聴率は地盤沈下してしまいます。莫大な制作時間や制作スポンサー料があるのだから、もっと良質な内容を求めたいところ。毎年、同じような企画では飽きてしまいます。『24時間テレビ』への批判は、局員の制作能力の低さに起因するものもありそうです。番組内容を見直す曲がり角にきていますね」(前出・日本テレビスタッフ)
貢献度も注目度も高いだけに、新たな工夫とエッセンス投入で視聴者の興味を引くことが大切になる。
(佐藤恵)