日本の原発処理水放出を巡って、中国が水産物、水産加工物の全面輸入禁止したことに対する発言が大炎上した野村哲郎農水相。
批判の原因は8月25日、中国の輸入停止の表明を受け会見で飛び出した、「大変驚いた。まったく想定していなかった」との発言だ。
これに対し元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏などは「NewsBAR 橋下」(ABEMA TV)で、
「そうだったとしても、想定外ということを政府が言うのはダメ」
「だってそれをやられたことで、こっちは『効いてる』っていうふうに思われるから『こんなの大丈夫ですよ』ぐらいのこと言わないと」
と呆れていた。商社関係者も失笑する。
「中国はあれだけ事前に処理水を放出すれば対抗策を取ると脅していたでしょ。誰が見たって輸入禁止は想定できたこと。それが本当に想定できていなかったとすれば、岸田内閣そのものが無能で読みが甘すぎる。100歩譲って想定していなかったとしても、それをストレートに感想を漏らすのは失格ですよ」
そんなノーテンキ発言をしていた野村農水相は鹿児島県出身。ラ・サール高校を卒業後に秘書を経て農協マンとなり政治家に転身、2004年の参院選で初当選を果たし、78歳で農水相に初入閣した。
全国紙政治部記者が言う。
「人は良いが政治家としては発言が軽すぎる。歴代政権では沖縄振興、クールビズの観点から6月の衣替え時期に閣僚全員が沖縄のかりゆしを着用する『かりゆし閣議』が恒例となっていますが、その姿で会見した野村氏は『遊び人みたいな感じで、普段着で着たわけじゃありません』などと発言。大ヒンシュクを買っている。今回の想定外発言もあまりに軽すぎますよ」
4期目とはいえ、なぜこのように酷評される人物が大臣の席に就けるのか不思議でならないが、
「野村氏は茂木派。年功序列で茂木敏允幹事長が押し込む形で農水相になっただけに、無責任な発言が出てもおかしくはない」(前出・記者)
処理水を巡っては中国から福島県内の市役所や飲食店にジャンジャン迷惑電話がかかりまくり、岸田首相はいつものように「遺憾」「中国政府に強く申し入れた」のみ。県民の岸田内閣に対する怒りは限界を迎えている。
(田村建光)