ペナントレースも残すところ1カ月あまり。白熱の優勝争いが繰り広げられるかと思いきや、セ・パともに首位チームに独走を許す体たらく。とはいえ「アレ」を目前にした指揮官さえも、かつてのトラウマにナーバスな顔色となり周囲はビクビク。勝てないチームは言わずもがな‥‥。各球団の不協和音を総まくりでレポートしよう。
8月16日に優勝マジックが点灯した阪神。2位広島に7.5ゲーム差(24日現在、以下同)をつける独走態勢を築いている。ところがベンチには、お祭りムードとは程遠い緊張感が漂っている。在阪メディア関係者が内情を明かす。
「そら、岡田彰布監督(65)のせいよ。なんでも、08年に最大13ゲーム差を巨人にひっくり返された『メークレジェンド』がトラウマになっているみたいやで。その空気感を察知して、選手たちもはしゃぐわけにはいかんわけや。中でも、いちばん不憫なのは在阪テレビ局やろうな。岡田監督みずから『余計なことしたらアカンよ』と釘を刺して、優勝を匂わせる番組の制作を禁じている。オリックスの監督時代に番記者の総入れ替えを指示して、実行させた過去もあったから、担当ディレクターや番記者はクビを恐れて自由な報道ができずにいるんよ。これだけ強い今季は、その独裁が余計に暴走しとるからな」
そんな指揮官の〝威光〟が露見したのは8月20日のこと。18日のDeNA戦で9回に二盗を試みた熊谷敬宥(27)とベースカバーに入った京田陽太(29)のクロスプレーで、アウト判定に猛抗議した岡田監督をなだめるためにセ界のトップが動いたのだ。先の在阪メディア関係者が続ける。
「京田には足で走路を塞ぐ〝悪癖〟があったらしく、本塁以外でも『コリジョンルール』のようなブロック行為を禁じるよう、球団を通して意見書をNPBに提出したんよ。それを受けて、NPBは杵渕和秀セ・リーグ統括を球場まで説明に赴かせて〝火消し〟に走ったわけや。岡田監督もまんざらでもなかったみたいで、『オレの言うたことが、ちょっとは検討することになったんちゃう?』『(週明けから動かず)日曜やからな。わざわざ今日来たら、トップのアレがな』とホクホク顔やった」
なにも岡田監督の暴走に気を揉むのはNPBだけではない。球団内にも胃をキリキリ痛ませるスタッフがチラホラいるようで、
「安藤優也投手コーチ(45)が目に見えて痩せ細っている。投手起用全般を監督に進言する役割なんですが、野球理論が卓越している岡田監督に『お前、そんなんもわからんの?』と叱責されることもしばしば。ストレスで食べ物が喉を通らない日もあるそうです。同様に、監督の伝達役しか任されず居場所がない、今岡真訪打撃コーチ(48)も顔色から生気が失われている。このままでは、〝岡田アレルギー〟でオフに辞表を提出するコーチが続出するかもしれません」(スポーツ紙デスク)
それでも18年ぶりのリーグ優勝となれば、苦労も報われるだろう。と思いきや、フロント内には好調なチーム状況を面白く思わない勢力がうごめいていた。
「谷本修オーナー代行(58)ですわ。皮肉にも、自分らが望んでいない監督人事で首位を独走しているわけやからね。もともとは、矢野燿大前監督(54)の後釜に平田勝男・現ヘッドコーチ(64)を据える計画やった。ところが、阪急電鉄から待ったが入った。阪急の角和夫代表取締役会長兼グループCEO(74)と同じ早大出身で、昵懇の関係を築いていた岡田監督の再登板がトップダウンで決定。と同時に、当時球団副代表として実務を仕切っていた谷本氏も『オーナー代行』という体裁だけの新ポストに飛ばされてしまったんや」(在阪メディア関係者)
今季より就任した杉山健博オーナー(64)も阪急出身者。もはや阪神タイガースは〝阪急タイガース〟に屋号を変えてしまったも同然なのか。
「谷本代行は京都大学出身のエリート。それなのに、阪神電鉄の要職で出世するよりも球団経営に携わるキャリアを選んできた〝変わり種〟なんや。それだけに、球団経営から外されたことをかなり根に持っている。時には、試合で負けて会見を拒否する岡田監督に対して、『アイツは監督の品格がないんちゃうか?』と陰口を漏らすこともあるんやとか。いずれにせよ、このままチームが独走優勝を決めてしまえば、オフに更迭されることは間違いないやろうな」(在阪メディア関係者)
粛清のXデーが目の前にまで迫っているかのようだ。