「ポスト栗山」はいったい誰なのか。野球日本代表次期監督の人選がお手上げ状態だという。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で14年ぶりに世界一になった侍ジャパンを率いた栗山英樹氏は5月で退任。その直後、一部スポーツ紙によるソフトバンク前監督の工藤公康氏の「代表監督一本化」報道があった。しかしこれに、人選する日本野球連盟(NPB)が大激怒。プロ野球担当記者によれば、
「工藤氏については交渉前のリストアップの段階だったようで、NPBからすれば出鼻をくじかれた格好になりました。いわゆる取材の出禁(取材禁止)処分も出たようですが、この新聞社から顛末書をとって手打ちをしたようです」
日本代表監督候補に必ず挙がる名前として、イチロー、松井秀喜の両氏がいるが、栗山氏もこの2人推しだったものの固辞したという。
「世界一になった栗山ジャパンのあとだけに、やりにくいのは当然でしょうね」(前出・記者)
野球日本代表は東京ドームで11月16日より開催される「アジアプロ野球チャンピオンシップ」が新たなスタートとなる。NPBでは次期監督の初戦をこの大会と定め、任期は次期WBCが行われる2026年までと決めている。
日本代表監督はこれまで巨人のOBや読売グループと縁がある監督が選ばれ続けてきた。
「WBCの東京大会や野球日本代表の運営に読売新聞社が関係しているからです」(前出・記者)
そのため候補の一人として元巨人監督の高橋由伸氏の名前が出ているが、これもすんなり決まらないのは原巨人の成績不振がある。
「ペナントレースの優勝がほぼ絶望的な巨人が3位になってクライマックスシリーズ(CS)の出場権を得るか、それとも2季連続Bクラスになるかで大きく変わってくる。原辰徳監督の契約はまだ1年残っているとはいえ流動的。高橋氏の再登板も考えられるだけに、それが日本代表の監督人事にも強く影響しているわけです」(前出・記者)
NPBでは「8月までには次期監督を選定したい」としていたのだが、ポスト栗山の誕生が大幅に遅れる可能性も十分出てきた。