グミの市場規模が拡大を続けている。菓子メーカー大手ブルボンが発売する「フェットチーネグミ」は販売を伸ばしており、商品供給が追いつかないほど需要が増加しているという。経済誌ライターが言う。
「『フェットチーネグミ』は、若者だけでなく40代からも支持され、グミ売上ランキングで1位を獲得するなど製造が追いつかないほど売上が急増しているんです。そのため9月26日に新商品『シャインマスカット味』を発売する前に『イタリアンレモン味』『つぶつぶ苺味』『ソーダ味』を維持的に販売休止して商品数を減らす必要があったといいます」
調査会社のインテージによると、グミの市場規模は2017年の555億円から22年の781億円へ5年で約40%増と躍進している。その一方で「ガム」は17年の823億円から22年の548億円へ5年で約33%減となっており、21年にグミの市場規模がガムを逆転しているのだ。明治などはすでにガム事業から撤退し、4月から「キシリッシュ」をグミとして販売している。
「ガムが売れなくなった原因は、喫煙者の減少によって口寂しさを感じる人が少なくなったことや、食べたあとにゴミが出ることを嫌う人が増えたこと、さらにコロナ禍でマスクをすることで口臭が気にならなくなり、マスクを着けたままではガムが食べづらいといったことなどが挙げられます。一方でグミはガムと比べてバリエーションが豊富で、食す様子を撮影したモッパン動画でインフルエンサーが紹介する機会も多い。また腹持ちが良いためおやつとしても支持され、ゴミも少なく手が汚れないのも人気の理由だと考えられます」(前出・経済誌ライター)
グミの市場規模は今後も拡大傾向にあるとみられている。将来、「ガム」自体が消える日が来るかもしれない。
(小林洋三)