「立川記念」◎眞杉匠/○犬伏湧也/▲守澤太志/△新山響平/平原康多/南修二/河村雅章/清水裕友/高橋築/山崎賢人/佐々木悠葵/北井佑季
チャンスとみれば、強引にでも仕掛けるうちに勝ち方を覚えるのが先行選手。
1月の記念初戦、正月の風物詩レースだった「立川記念」(9月7日㊍〜10日㊐)が今年からこの時期に移行することになった。それにふさわしく、西武園オールスターの覇者を含む決勝戦に出場した4人に、トップクラスの機動型が一堂に会する豪華メンバー。初秋の名物記念へ新たな歴史を刻むことになる。
オールスターでGⅠウイナーの称号を手にした眞杉匠を本命に推す。関東は眞杉-平原康多-高橋築の3車ライン。オールスター決勝戦で眞杉をガードした平原が再び後位を固めるのが心強い。自力型だが位置取りは巧み。好機に動いて突き抜けるとみた。
対抗は犬伏湧也。オールスター6着は仕掛けをためらったのが敗因だ。清水裕友との中四国コンビで、早めに踏み込めば好勝負になる。あとは、新山響平-守澤太志の北日本両者の台頭を警戒したい。
南関勢は少数派で印は回らなかったが、北井佑季は立川によく出稽古に来ているという。犬伏とは同期で、叩き合いになれば、共倒れになったとしても1歩も引くつもりはない。
目立たないが、久木原洋が好調だ。直線の伸びは鋭いだけに、3連単で押さえておきたい。
【大穴この1車】山根将太(岡山・119期)。
1班に昇班して2場所目だった1月大宮記念(②⑨②⑤)の3日目に11万円超はあるものの、その後はオールスター(⑨⑥⑨)まで東日本では目立たない成績に終始している。ここも人気になりそうにないが、西日本のレースではGⅢ2戦で準決勝に乗り、6月向日町(③③⑨④)の2日目が5万円超。4月久留米(②①⑥②)は2日目が1着同着で2万円超と1万円超、最終日も2万円を超えた。先手を取れば粘る。1着から手広く流したい。
【狙い目の伏兵3人】
鈴木玄人(東京・117期)は、自力もあるが前々走のGⅢ京王閣(⑥⑦①①)では番手差しと3番手から抜け出している。初の地元記念も自在戦か。
中嶋宣成(長野・113期)はスピードスケート出身。28歳でデビューし、今年で33歳になったが、競走はハツラツとしている。2次予選突破が目標になる。
7月初めに特昇し、S級わずか3場所目の別府(②②①)で初優勝したのが大川剛(青森・121期)。A級当時から将来性を予感させた好素材。まずは初日に注目したい。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。