「名古屋記念」◎守澤太志/○新田祐大/▲山口拳矢/△坂井洋/平原康多/小松崎大地/三谷竜生/渡邉雄太/岡本総/取鳥雄吾/嘉永泰斗/伊藤旭
ラインが2車か3車になるかで、戦い方が変わるのが競輪の奥行きの深さでもある。
「名古屋記念」(7月27日㊍~30日㊐)は、SS班3人を筆頭に東日本のメンバーが充実している。ダービー王が中心になる中部勢はファンの応援をパワーに変えて、真っ向勝負を挑むことになりそうだ。
とはいえ、実績から◎守澤太志と〇新田祐大のマッチレースになるとみた。守澤は平塚ダービーの落車負傷が影響し、復帰後の2戦とも未勝利で終わっているが、これまでも実戦で立て直してきた。番手戦巧みなレース巧者が、新田の後位から抜け出しを決める。
強烈まくりで逆転を狙うのが新田だ。小松崎大地が勝ち上がり、前を任せたとしても、早めに踏み出せば守澤に先着できるのではないか。
あとは函館サマーNF(①②❹)でダービー王の面目を保った山口拳矢と、平原康多のガードで混戦歓迎の坂井洋を警戒したい。
岡本総は差し一手で目立たないものの、好調をキープしている。山口拳を追走し、上位進出を狙うことになりそうだ。
印は回らなかったが、伊藤旭─嘉永泰斗に中本匠栄が加わるようなら、熊本勢は軽視ができなくなる。特に自力もある嘉永は、優勝を争う1人になっても不思議ではない。
【大穴この1車】門田凌(愛媛・111期)。
かつては四国を牽引する先行だったが、今は競走得点が100点を切っているせいもあり、前走FⅠ大宮では2日目1着が11万6150円の大万車券になった。記念では4月高知(⑨①⑨①)の2走目が1万円超、1月大宮(④⑥②①)の最終日に36万円超を演出している。ここは中四国が手薄だけに、それほど人気にはならない。展開が向けば10万円オーバーとはいかなくても、ビッグサイズの高配当が期待できる。
【狙い目の伏兵3人】
藤井侑吾(愛知・115期)は、主導権を取るとよく粘っている。ホームバンクだけに、準決勝に乗った5月宇都宮記念(②③⑧③)の再現もありそうだ。
すでにGⅢを2度勝っているのが南潤(和歌山・111期)だ。GⅠも何度も経験し、グレード戦の戦い方は心得ている。台風の目になってもおかしくない。
山田雄大(埼玉・117期)は、宇都宮記念(③③②❽)の力走が光る。1月にS級へ昇級し、FⅠではすでに決勝戦の常連になっている。1次予選を突破すれば勢いに乗る。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。