阪神タイガースが2位・広島カープに同一カード3連勝。ゲーム差は11に広がり、ついに引導を渡した。9月負けなしの8連勝で、「アレ」マジックはこの時点で一気に5に。最短のアレは9月14日に縮まった。岡田彰布監督は「3連勝するとは全然思ってなかったよ」とニンマリ。天下分け目の勝負どころでのまさかの連勝街道に、球団関係者からは嬉しい悲鳴が上がる。
「盛り上がりのためにも、もう少しアレの決定日は遅くてもいいくらい。マジックが減るペースがちょっと早すぎる」
今年の阪神は強かったが、ラストスパートの勢いも強烈だ。
「主力の質でいえば阪神も広島も互角でしょうが、長いシーズンでみると、選手層の厚さに違いが出ています。広島はレギュラークラスが調子を落としたりケガをすると一気に戦力が落ちますが、阪神は代わりに次々と活躍する選手が出てきます。投手も野手も量に歴然とした差がありますね」(スポーツ紙記者)
広島は今季の阪神戦の負け越しが決定し、優勝はあきらめざるをえない状況に追い込まれた。9月11日にはケガに苦しむ西川龍馬と菊池涼介を2軍に落とし、降伏宣言。クライマックスシリーズに向けて戦力を整え、下剋上を狙う。
「3位のDeNAが迫ってきているので、なんとか2位は死守したいところ。そうすれば、ファーストステージを本拠地で戦うことができます。マツダスタジアムは独特の空気があり、ホームアドバンテージは大きい。広島の先発投手陣は揃っているので、短期決戦ならば勝ち抜ける可能性は大きいですね。阪神が早期に優勝を決め、浮かれて間延びすればするほど、広島が下剋上に成功するチャンスは広がります」(前出・スポーツ紙記者)
アレが決まっても、しばらくは目が離せない。
(田中実)