那須川天心のボクシング転向2戦目となったメキシコ王者ルイス・グスマン戦を、元世界王者の竹原慎二氏、畑山隆則氏、渡嘉敷勝男氏がYouTubeチャンネルで生配信解説していた。
この試合の課題を「KOで勝つこと」として、3人は試合前にKOラウンド予想を行い、渡嘉敷氏は「ラッキーセブンの8(発言ママ)。ミット打ちを見たら(KOは)いける」、竹原氏は「倒さないと自分の価値が下がるのがわかっている。6ラウンド」と予想。畑山氏だけが「普通に勝ち。判定勝ち」とKO決着にならないとした。
試合が始まると2Rの途中までは竹原氏が「スピードでは圧勝できる。井上尚弥の試合を見てるからKOを狙ってきている」とするなど3人とも天心を絶賛。ところが2R終了間際になると畑山氏が、
「前回と似てる。被ってきちゃうんだけど」
と、判定勝ちを収めた与那覇勇気とのプロデビュー戦に似た試合展開であると指摘。3R以降はチャンスでも積極的に行かない天心に竹原氏が、
「もっと行かないとダメだよ。ここからが天心の課題」
「このままいったら判定。当たってから仕掛けてない。どこかで仕掛けないと」
と批判を繰り返した。
結局、那須川は8Rをフルに戦い判定勝ち。ポイントでは圧勝した。
試合を振り返って竹原氏は、
「そんなに甘くないボクシングは。試合は支配しているけど、倒す倒せないは気持ち。これだけ差があれば気持ち」
渡嘉敷氏は、
「課題が果たせなかったのがくやしい」
とコメント。
厳しい評価をしたのが畑山氏で、
「KOできるチャンスはそうそうない。そこ(6R)で行かないと。このレベルの選手なら判定で勝てるけど先を見ると…」
と疑問を投げかけていた。
とはいえ、那須川天心のポテンシャルの高さは3人とも認めるところ。今回、KOできなかった理由を渡嘉敷氏は、
「強い相手を選びすぎ。倒すのが課題なのにこんなに強いの当てないほうがいい」
とマッチメイクに問題があると指摘。畑山氏も同様に、
「2戦目なんだから、倒せる相手を選んでまず倒し方を覚えるべき」
と提案した。
KO勝ちが期待されながら、またしても果たせなかった那須川天心。このまま判定勝ちが続けば、竹原氏が言うように自身の価値が下がってしまうことになりかねない。次戦は正念場になりそうだ。
(鈴木誠)