元日本代表でJリーグ優勝監督でもある松木安太郎氏が日本サッカーのタブーを明らかにし、ネット上で賞賛の声が上がっている。
松木氏は元代表・鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演し、自身のサッカー人生を振り返った。その中で経験豊かな自分を日本サッカー協会に入れるべきと発言。しかし、協会に入れない理由があり「誰かから聞かされた話」と前置きした上で、こう明らかにした。
「日本サッカー界はこの5つの文字がないと生きていけない。それは三菱(重工)、日立、古河(電工)、早稲田、広島」
日本サッカーには派閥があり、これら主流派に入らないと出世できないのだという。サッカーライターの話。
「この5つの中でも『丸の内御三家』と呼ばれる三菱重工サッカー部(現・浦和レッズ)、日立製作所本社サッカー部(現・柏レイソル)、古河電気工業サッカー部(現・ジェフユナイテッド市原・千葉)の影響力は大きく、協会の幹部はこの3つで占められていました。松木さんが所属していた読売クラブや、日産自動車の出身者はなかなか出世できなかったんです。現に日本サッカー協会の会長は第10代の川淵三郎氏から今の田嶋幸三会長まで、すべて丸の内御三家から出ています」
派閥争いはJリーグの設立後も続き、以前ほどではないが今も影響力を持っているとされている。そのせいか松木氏はあわてて、
「この5つが日本のサッカーを牽引してきた。いい影響力を与えてくれた。自分が現役だった頃は、代表の遠征場所もこれらの大企業を通して、海外のつながりを使って確保していた。当時は協会にコネクションがなく、企業の力が必要だった」
とフォローした。
それでも派閥の存在を指摘しただけでもたいしたものだと、コメント欄には、
「みんなを代表して言いにくいことを言える松木さんが素敵」
「軽い感じで急に踏み込んだ話が来た」
と告白を賞賛する声が寄せられている。とにかく明るいサッカー解説者と思われがちな松木安太郎だが、まだまだ日本に必要な人材だ。
(鈴木誠)