ジャニーズ事務所は10月2日に会見を開き、今後の会社運営の方針を公表するという。社名変更のほか、前社長・藤島ジュリー景子氏が100%保有する株式や故・ジャニー喜多川元社長による性加害の被害者への補償の具体策などについて言及する見込み。
また、新社長・東山紀之とジュリー氏は現事務所で被害者補償に向き合う役割を担い、タレントと社員を所属させる新会社を設立する方針で、タレントのマネージメントを行う新会社の社長には、芸能界に精通した人物を外部から招へいするともいわれている。
このジャニーズ問題について経済評論家の高橋洋一氏は、9月21日更新の自身のYouTubeチャンネルで経営学の観点から語っていた。
高橋氏がジャニーズの再生論として挙げたのはBJ(バッドジャニーズ)とGJ(グッドジャニ―ズ)の分離。BJは旧ジャニーズの資産・負債を継承し、性加害の救済のみを業務とし、芸能活動はまったくしない。
一方、新会社であるGJは旧ジャニーズの所属タレントのマネジメントを行い、ファンクラブの収入等は全部受け取る。名称は公募が望ましいというもの。
高橋氏は「経営のプロだったらこのように考える」といい、例えば金融機関が潰れるときも不良債権を抱えて潰れるが、様々な旧来業務をやっていかなければならない。そうした時、不良債権の部分だけ分離して「バッドバンク」にして、これからの話は「グッドバンク」にしてやる。金融機関の再生のときは、この手法はよく使うと説明した。
また、新会社の株式はファンクラブの会費収入を明らかにすれば出資者はたくさん集まるので、仮にジュリー氏が一部持ったとしてもオーナーは多数に分かれ、ジュリー氏の呪縛はなくなるとした。
「どこかのプロフェッショナルの人が間に入っていれば、これと似たような話になると思うけどね。そうじゃないとなかなか収拾つかない」
と高橋氏。実際、同じような案もすでに報じられているわけだが、10月2日の会見では、どのような内容が報告されるのか注目される。
(鈴木十朗)